今回のMobile World Congress 2014で、ソニーモバイルコミュニケーションズはスマートフォンのフラッグシップモデル「Xperia Z2」のほか、ミッドレンジの「Xperia M2」、より薄く、軽くなったタブレット「Xperia Z2 Tablet」を発表した。また、1月に開催された2014 International CESでコンセプトが発表されていた「Core」や「SmartBand」、ライフログアプリを正式発表した。
これらの発表にあたり、ソニーモバイルはプレス向けの説明会を開催。ソニーモバイルコミュニケーションズ 商品企画部門・UX商品企画部 統括部長である黒住吉郎氏が製品のコンセプトや狙いなどを説明した。
ディスプレイが圧倒的に明るくなった「Xperia Z2」
新たなフラッグシップ機「Xperia Z2」について黒住氏は、まずディスプレイが圧倒的に明るくなったと紹介。照度自体はZ1とほとんど変わっていないが、Z2ではIPS液晶を採用したことで視野角が広がり、映像が迫ってくるように見えるとアピールした。従来機より色域が広がり、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」とほぼ同じレベルに向上し、ライブカラーフィルターによって、バックライトがよりきれいに当たるようになったことも、見え方に影響しているという。
「自発光する有機ELのような見え方をする。MWCのブースでは他社の有機EL搭載モデルとよく比較されるが、Z2の方がきれいだと言われる。我々の絵作りのノウハウで、より自然な色や繊細な表現が実現できていて、非常に立体感を得られるディスプレイになっている」(黒住氏)
ディスプレイサイズはZ1よりも大きくなり、Z2では5.2インチフルHDディスプレイを採用。しかし横幅はZ1の74ミリから73.3ミリへと、むしろスリムになった。「これまでできていなかった狭額縁を実現して、幅を広げずサイズを大きくした」。もちろん防水対応だが、Z1よりも薄い8.2ミリになり、重さも5グラムほど軽量化。より手になじみ、持ちやすくなった。
Xperia Z2の2つ目の強みとして黒住氏が紹介したのがカメラ機能。4K動画撮影に対応し、BRAVIAの上位機種などMHL3.0に対応しているテレビに端末を接続して、撮った4K映像をそのまま出力できることがソニーの強みだとした。また、4K動画を再生中に、ピンチ操作でズームができる点もアピール。「同様のことができる端末はこれまでにも登場しているが、テレビに出力しながらズームできるのがすごいところ。4Kで出しているので、ズームしてもかなり高精細な映像を見られる」
4K動画撮影の対応とともにプレスカンファレンスで取り上げられたノイズキャンセリングについては、「一日の長がある」と胸を張った。「特にデジタル製品に関するノイズキャンセリングに関しては、ソニーが一番に出した実績がある。スマートフォンでもずっとやりたかったが、チップセットやデバイスの制約があった。今回はWALKMANの事業部と一緒にやったことで実現できた。効果は絶大」と黒住氏。なお、Z2ではスピーカーが大きくなってステレオ化されているので、スピーカーで聞く音もよくなっているという。
「Xperia Z2 Tablet」で家(ホーム)を再定義する
Xperia Tablet Zの後継機となる「Xperia Z2 Tablet」。Xperia Tablet ZはXperia Zとデザインコンセプトが共通で連携機能を搭載し、組み合わせて使うことも想定されていた。今回のXperia Z2 TabletとXperia Z2の関係性もそれを踏襲。機能的な進化はXperia Z2と共通する部分が多く、「より薄く、より軽く」を追求した。
「ディスプレイはXperia Z2と同じ技術を採用しているのできれい。持っていただくと分かりやすいが、今回はかなり薄く、軽くなった。ここまで精魂込めて薄く軽く作るのは難しく、エンジニアには感謝している。強みの防水も継続している。今、アメリカでAppleのiPadとSamsungのGALAXY TabがケンカしているテレビCMがあるが、Xperia Z2 Tabletがそこに入るとどうかな、と思うくらいの自信作」(黒住氏)
なお、Xperia Z2 TabletにはWi-Fi版とLTE版が用意され、LTE版は回線交換で電話もできる。Bluetoothヘッドセットでの通話スタイルが一般的だが、通話ができる小さなリモコンがオプションで用意される。AV機器をコントロールできるリモコンだが、電話がかかってきたときは電話機になる。
「Xperia Z1は『カメラからスマホを再定義する』ものだったが、Xperia Z2 Tabletは『タブレットで家(ホーム)を再定義する』ほどの商品になっている。ここまできれいな映像を観ることができると、“テレビとどう違うの?”という世界。モバイルとホームの境界がどんどんなくなってきていることを実感できる商品になっていると思う」(黒住氏)
普及帯クラスでもプレミアムな製品を展開する——「Xperia M2」
2014年のMWCは、新興国向けのミドルからローエンドまでのスマートフォンが大きなテーマの1つ。「Xperia M2」は、世界中でLTEネットワークが拡大し、欧州やラテンアメリカなどでLTE端末の需要が高まっている中、Xperiaユーザーの裾野を広げるために投入される端末だ。
「ただ、ソニーなので、そのセグメントでもプレミアム商品を展開したい。そのために4.8インチの大きなディスプレイ、8メガピクセルの誰にも負けない我々のカメラを搭載。そしてフラッグシップ機とデザインで共通性を持って、兄弟機として展開していく」(黒住氏)
正式発表された「SmartBand」
2014 International CESでコンセプトが発表されたウェアラブル機器「Core」とリストバンド型端末「SmartBand」は、MWCで正式発表され、SmartBandは3月からグローバルで順次発売される。黒住氏はCoreについて「機能が限られていることで、逆に可能性が広がっていくような商品」と紹介。Coreがあることで、リストバンドの多色展開やサードパーティとのコラボレーションが可能になったことを説明した。また、スマートフォン用のライフログアプリについてもサードパーティと協力するとした。機能やアプリは今後、増えていくとのことだ。
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