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「LINEで未読100件は当たり前」「本当はmixiに戻りたい」――女子大生とSNSの距離感

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 現役女子大生「ミラクル☆ガールズ」にスマートフォンの使い方を聞くインタビュー連載の第1回では、端末について聞いた。第2回は「SNS」に焦点を当てたい。

photoミラクル☆ガールズの皆さん。左から中央大学 理工学部 4年の古川愛さん、東京大学 文学部 4年の丹下恵里さん、東京大学大学院 学際情報学府 修士2年の王夢さん、津田塾大学 学芸学部 情報科学科 4年の平田淳さん

キャリアメールは「まったく使っていない」

 女子高生 椎木里佳さんの取材で印象的だったのは、「友だちとの連絡手段はキャリアメールではなくて、もっぱらLINE」だということ。大学生も同じ傾向なのだろうか? と思い尋ねたところ、やはり連絡はLINEを使う人が大半のようだ。キャリアメールは「まったく使っていない」(丹下さん)、「迷惑メールがたまるだけ」(王さん)、「メルマガがひたすら届く」(古川さん)とのことで、彼女たちにとっては過去のサービスになってしまったようだ。

 スマートフォンを使っていない人からはキャリアメールが来るが、届いても気付かず、2〜3日後に慌てて謝る、といったこともあるそう。王さんは「次にスマホやキャリアを変えても、(キャリアメールは)絶対に使わないです」とまで言い切る。丹下さんは、そもそもメールアドレスを周囲に教えていないそうだ。

 筆者の場合、家族や親戚(叔父や叔母)との連絡はキャリアメールを使っているが、彼女たちは家族ともLINEで連絡を取り合っている。「家族が一番最後までキャリアメールを使っていたかもしれません。父が(LINEを)すごく嫌がっていました(笑)」

LINEは放っておくと、未読が100や200になってしまう

photoスタンプは女子大生の心もつかんでいる

 なぜここまでLINEを使うようになったのだろうか。4人からは「スタンプが使えるから」というシンプルな答えが返ってきた。「スタンプからは、言葉にならない思いを伝えられます。文字を打つのが面倒でも、スタンプなら一瞬で返せますし、送ったメッセージを無視されることもあまりありません。とりあえずスタンプが返ってくることも多いです」と丹下さんは話す。「キャリアメールよりもLINEのトークの方が見やすいですし、スタンプなら一言でバッと返せます」と王さんは続ける。

 1日にやり取りするメッセージが「200〜300くらい。もっとあるかも?」(丹下さん)「連絡を頻繁に取っている人なら1000くらい行くことも」(古川さん)というのは、時間のある学生ならではか。ミラクル☆ガールズ4人のグループトークは、気付いたら100件ほど未読メッセージがたまっていることも珍しくないそうな。グループを抜きにしても「LINEは何時間か放っておくと、(未読メッセージが)100や200になってしまう」(丹下さん)というほどだ。

 キャリアメールはどちらかというと1対1が基本だと思うが、グループトークが簡単にできるLINEでは、必然的にやり取りするメッセージ数が増える。1対1だとキャッチボールを続けるには必ず返信が必要だが、グループトークなら誰かが返せばいい。もちろんLINEでも1対1でやり取りをすることはあるだろうが、グループトークはTwitterやFacebookのタイムラインのような、ゆるいつながりになっているのかもしれない。

 また、丹下さんは「(LINEで)ちょっとやばいな、と思うことを言っちゃったときは、スタンプを100個くらい送って流すこともあります。時のアーカイブに葬るみたいな(笑)」というLINEならではのテクニック(?)も教えてくれた。

有料スタンプは「半分以上が買っている」

photoLINEの有料スタンプは200円で販売されている

 有料スタンプは、4人のうち王さん以外は買ったことがあり、古川さんの周りの学生も「半分以上が買っている」そうだ。「ふなっしーやディズニーキャラクターなど、買っているスタンプはだいたい同じ。有料スタンプは3、4種類くらい買ったら満足で、毎月買ったりはしません」と丹下さん。キャンペーンの無料スタンプ以外に買ったことのない王さんも「絶対買わないことはないです。自分の好きなものが出たら、たぶん買うと思うけど……その一歩がなかなか難しいです(苦笑)」と話す。

 椎木さんの周囲の友だちでスタンプを買う人はあまりいないそうだが、高校生よりも自由に使えるお金を多く持っている大学生は、有料コンテンツへの抵抗が少ないのだろう。

女の子はタイムラインこだわる

 LINEに次いで彼女たちが利用している連絡手段は、Facebookの「メッセージ」だ。本当に仲のいい人はLINEでつながるが、知り合って間もない人はFacebookでやり取りすることが多いそうだ。「(同じ会社の)内定者とは、Facebookメッセージやグループでやり取りすることが多いです。Facebookは検索して簡単に友だちになれますけど、LINEはIDを教え合うのに壁がありますね」(古川さん)

 彼女たちの周りには、Facebook上に表示される自分のタイムラインに神経質な女子が多いというのも興味深い。「例えば『MINMOOアプリを使い始めました』というのが(タイムラインに)載ると、激怒する子がいます」と丹下さん。え……激怒? 「確かに激怒する人いる。そこまで言わなくてもいいじゃないというくらい」と古川さんが続ける。

 確かに、何とはなしに「いいね!」を押して、気付いたらタイムラインに表示されていて困惑することはあるだろうが、怒るほどのことではないような……。「女の子はタイムラインこだわる人が多いんです」と丹下さん。Facebookのタイムラインはいわば「自分史」のようなもので、それを意図せずに変えられてしまうのは嫌だ、ということなのだろうか。

本当はFacebookよりmixiをやりたい

 「mixi」についても聞いてみた。

 椎木さんたち女子高生にとってmixiは「かけ離れている世代」だそうだが、大学生の彼女たちにとって、mixiは青春時代の思い出が刻まれたものだ。丹下さんは「ガラケーでmixiしていたころが、一番青春していたかも」と話せば、古川さんは「大学1年まではmixiでした。今は長らくやっていませんが、あのころは“ドはまり”でした」と振り返る。「『マイミク』になろうよとか、なつかしい(笑)」と王さんが話すと、一同「マイミク! なつかし〜!」と盛り上がる。

 彼女たちにとって、今メジャーなSNSはFacebookだが、実はmixiへの未練は大きいようだ。「本当はFacebookよりmixiをやりたいんですよ。日記を書いたり写真をアップしたり……。またmixiやりたいなぁ。○○くんからからあしあとがあった! でも(あしあとのあった)●●分前だと、プロフィール変える前じゃん! みたいな(笑)」と丹下さんは楽しそうに振り返る。

 丹下さんの場合、mixi離れのきっかけは「スマホに替えてから」だった。しかし当時はmixiの公式アプリが使いにくく、「あれでみんなログインしなくなったのでは?」と丹下さんはみる。古川さんはTwitterがきっかけだ。「mixiボイスがあったけど、あれをやっていた私の周りは、Twitterに流れていった人が多かったですね」

 そのTwitterは、好きな芸能人やアーティストとのつながりを持つためにフォローしたり、趣味の情報収集に活用したりする人が多いそうだ。趣味用にアカウントを使い分ける人もいるという。

 今はどんな人がmixiを使っているのだろう。丹下さんは「地元(愛知県)の中学のときの友だちは、まだmixiにいますね」と話すが、「私は地元が福井県ですけど、みんなFacebookにいます」と王さん。

 思い返せば、筆者も2005年〜2010年くらいはmixiを使って頻繁に日記や写真を公開していた。しかしTwitterやFacebookに移ってからは、写真はFacebookのアルバムでまとめて公開することはあっても、mixi日記のように、長々と近況や思うことを書き連ねることは、めっきりなくなってしまった。

photophoto現在の「mixi」公式アプリ。フリックで「つぶやき」「コミュニティ」「更新情報」などを切り替えられる。メニューもタイル型のアイコン表示で見やすい。最初からこのUIだったら……。ちなみに筆者のマイミクは現在84人だが、日記を定期的に更新しているのは2人ほどしかいない

 古川さんは「Facebookに日記とかは恥ずかしくて上げられない」とさみしそうに話す。「最近のFacebookは広告が多いし、すごくビジネス感がある」と王さんが話すように、Facebookの機能と、彼女たちがSNSに求めるものとの間に、ギャップが生じているのかもしれない。

 次回はよく使うアプリや、学生ならではのスマートフォンの活用法を聞きます。

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