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1000円を切る格安SIMで快適に“高速通信”できるのか 実測してみた

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Photo今回テストに使用した各社のSIM。いずれもNTTドコモのMVNOなのでSIMは同じ。どれがどれだか分かりにくい。できれば提供事業者ごとに色分けなどしてもらいたいところ

 2013年ごろから、MVNO事業者による「格安SIM」が話題に上ることが増えてきた。MVNOとは、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルなどの通信事業者からネットワークを借り受けてサービスを提供する事業者のこと。大手通信事業者が提供していない独自の料金体系で通信サービスを提供しており、用途に合わせて料金が節約できたり、対応したキャリア端末や、SIMロックフリーのスマートフォン・タブレットなどに差し込むことで、機種変更した後の古い機種を再度有効活用したりできる点が注目を集めている。

 格安SIMの特徴は、提供しているMVNO事業者によって多少の差はあるものの、基本的には月間で数百Mバイト〜1Gバイト程度、または1日数十Mバイト程度と、高速なパケット通信を利用できるデータの総量が決まっているというもの。それを超過した場合には、指定期限まで高速通信はできないが、低速な通信は継続できる。

 利用できるデータ量に制限はあるものの、一定のレベルまではキャリア契約と差がない(とうたわれている)高速通信ができるのは非常に魅力的である。だが、実際にキャリアで一般的な契約をした場合と同じような速度が本当に出るのだろうか。疑問に思った次第である。

 そこで、格安SIM 3種類とキャリア契約のデータ通信SIM 1種類、通常の音声契約とパケット定額契約をしたSIM 1種類、合計5種類を用意して、実際の通信速度をテストしてみた。現状、格安SIMは原則NTTドコモ網を利用しているため、キャリア契約SIMもドコモのものを用意した。

 以下が今回検証に利用するデータ契約である。

今回利用したSIM
サービス名プラン名プラン料金プロバイダ料高速通信容量高速通信最大速度
BIGLOBE LTE・3Gエントリープラン980円0円1Gバイト/月下り最大150Mbps
IIJmio高速モバイル/Dミニマムスタートプラン945円0円500Mバイト/月下り最大150Mbps
OCN モバイル ONE30Mバイト/日980円0円30Mバイト/日下り最大112.5Mbps
NTTドコモXiデータプラン フラット にねん5,985円525円7Gバイト/月下り最大150Mbps
NTTドコモXiパケ・ホーダイ ライト4,935円315円3Gバイト/月下り最大150Mbps
※価格表記は全て5%の税込み

 ここで注意したい点がいくつかある。まず、NTTドコモの「Xiデータプラン フラット」は、同一名義の2回線目として利用する場合は月額料金が安くなる「プラスXi割」に加入でき、その場合は料金が、3,980円(税込)になる。またプロバイダ料として、Xiデータプラン フラット にねんの場合には「moperaU Uスタンダードプラン」、Xiパケ・ホーダイ ライトは「spモード」への加入が必要だ。なお価格はすべて税込みのもの。消費税率が8%になる2014年4月1日以降は価格が変わる点に留意してほしい。

 今回は5種類の契約形態を用意した。まず注目したいのが高速通信時の最大通信速度である。これは技術仕様上の最大数字であり、さらに「ベストエフォート」という、“保証されているわけではない”数字なので、この速度で実際に通信できるわけではない。また、OCN モバイル ONEのみ若干速度が遅い表記となっているが、これはサービスサイトの表記をそのまま記載したためであり、実際には利用する機器(スマートフォンやルーターなどの端末)により変わる可能性がある。

PhotoBIGLOBE LTE・3GのWebサイトなどには、通信速度が「受信時最大150Mbps」と記載されているが、これは理論上の最高速度である。実際はどうなのだろうか

 さて、格安SIMが、本当にキャリア契約とほぼ同じ速度で利用できるのであれば「さすが」と言えるのだが、通信網は同じドコモ網を利用しているもののMVNO事業者のみ遅いというケースも考えられる。その際は「まぁ安いから」と考えざるを得ないのであるが、実際のところどうなのだろうか。

実際にスピードテストをしてみた

PhotoSIMロックフリースマホには、格安SIMを組み合わせる人も多そうだ

 疑問を持ったら、早速調べてみようということで、実際に速度を計測してみた。テストでは、Google Playで購入したSIMロックフリー版の「Nexus 5」に各SIMを入れ、スピードテストを5回実行し、平均を求めている。テストした格安SIMは、いずれもNTTドコモのネットワークを利用するSIMなので、ドコモの端末や、ポータブルゲーム機の「PS Vita(3G対応モデル)」でも利用できるのだが、今回はあえてSIMロックフリーの端末を利用してみた。

 なお、今回の検証は決して最高速度をたたきだすサービスを見付けるのが目的ではない。あくまでもキャリア契約と1000円未満の格安SIMでの高速通信時に差がないかどうかを検証するものであることはあらかじめ断っておきたい。

 速度の計測には定番の「RBB TODAY SPEED TEST」のAndroidアプリを利用した。合計5回計測し、その計測結果と平均値を以下に列挙する。場所は東京丸の内エリアで、時間はピークタイムを避けて平日の14時とした。

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