楽天子会社のカナダKoboは2月12日、7インチAndroidタブレットの新機種「Kobo Arc 7」の国内発売を始めた。エントリーモデルとしての普及を狙い、価格は1万4800円(税込)。Koboでの日本語コンテンツの取扱点数は20万冊を超え、1人当たりの購買数も増えているという。
昨年11月に投入した「Kobo Arc 7HD」の廉価版で、初めてタブレットを使う人やファミリーで使うことを意識したエントリーモデルという。楽天Koboのストア、リーダーアプリに加え、GmailやSkype、Facebookなど日常的に利用するアプリを標準搭載した。OSはAndroid 4.2で、Google Playから自由にアプリをダウンロードし、汎用タブレットとしても利用できる。
購入した電子書籍や写真、WebサイトのURLなど複数のコンテンツを横断的にまとめてフォルダで管理できる「コレクション」機能や、読書中にメールやSNSの通知をオフにする「リーディングモード」など、専用端末ならではの機能も搭載した。
12年7月にサービスを開始したKoboは順調に規模を拡大しているという。販売額などの詳細は明らかにしていないが、今年1月の月間販売額は昨年比で6倍以上、ユーザー数は3倍以上に伸びたという。購入するユーザーの拡大に加え、1人当たりの購買数も増加しているといい、田中はる奈ブックス事業副事業部長は 「電子書籍を日常的に楽しむ人が増えている」と分析する。楽天ブックスでの書籍のEC販売額も微増するなど「紙・電子を問わずオンラインで書籍を購入する裾野自体が広がっているのでは」とみている。
ソニーが北米で展開する電子書籍ストア「Reader Store」の閉鎖に伴い、購買データを「Kobo Store」が引き継ぐ。「国内、グローバル共にマーケット・リーダーの一角と自認している立場として、電書業界全体を盛り上げ、支えるためにできることをしていきたい。Koboが事業撤退することはまずない」と田中副事業部長はいう。
サービス開始当初は「12年末までに」と目標に掲げていた日本語コンテンツ20万冊は、約1年遅れながら今年1月に達成した。月末に投入したデスクトップアプリも好評で、新たなユーザー層を獲得しているという。今後は(1)場所や端末を問わず読書できるマルチプラットフォーム戦略、(3)ベストセラーや話題の本だけでなく、ロングテールの商品も含めてユーザーが求める本を網羅、の2点を特に強化していく。
関連記事
- ソニーの電子書籍ストア「Reader Store」北米から撤退 日本は継続
ソニーが米国・カナダで展開している電子書籍ストア「Reader Store」から撤退。日本版は継続する。 - 7インチAndroidタブレット「Kobo Arc 7HD」国内投入 2万2800円から
7インチのフルHD表示対応のAndroidタブレット「Kobo Arc 7HD」が国内で発売。16Gバイトモデルが2万2800円、32Gバイトモデルが2万7800円。 - 6インチ電子書籍端末「Kobo Aura」予約受け付け開始
6インチ212ppiのE Inkディスプレイを搭載した「Kobo Aura」の国内での予約受け付けがスタートした。 - 楽天「kobo」ユーザー数は「右肩上がり」、アプリも好調 「開始当初の批判を1つずつ改善」
楽天の電子書籍サービス「kobo」が1周年。日本語コンテンツは14万点を突破し、ユーザー数も急伸しているという。端末本体だけでなくそこから購入されたコンテンツも含めたレベニューシェアモデルを整え、リアル書店での販売も促進する。
関連リンク
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.