ココが「○」 |
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・米軍調達基準をクリアする堅牢ボディ |
・東京生産の品質と短納期 |
・自動復元BIOSや暗号化などのセキュリティ |
ココが「×」 |
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・一般的なコンシューマ機に比べて価格は高め |
・ACアダプタの電源ケーブルが太くて重い |
はじめに:米軍調達基準をクリアする堅牢ボディのビジネスモバイルPC
日本ヒューレット・パッカード(HP)の「HP EliteBook 820 G1 Notebook PC」(以下、EliteBook 820 G1)は、“Elite”を冠するビジネス向け製品の中でもハイエンドに位置する800シリーズの新鋭機。Windows XPのサポート終了に伴い、仕事用マシンのリプレース、それもモバイル用途も視野に入れたマシンへの乗り替えを考えている人には、是非チェックしてほしい1台だ。
その理由を説明する前に、おそらくPC USER読者なら最初に気付くであろう点に触れてしまおう。正直に言って、EliteBook 820 G1は一般的なコンシューマーノートPCに比べると、主要スペックから見た際の価格はやや高い印象を受ける。
例えば、スタンダードモデルの構成は、Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)、4Gバイトメモリ、320GバイトHDD、グラフィックスがCPU統合型のHD Graphics 4400。12.5型ワイドの液晶ディスプレイは解像度が1366×768ドットと、特に高解像度なわけでもない。この構成のベースモデルで14万4900円からスタートとなっている。もちろん、BTOメニューで上位グレードのCore i7や高速なSSDなども選べるが、やはりその分だけ価格は上がり、一見すると「なんだか高価なPCだ」と思えるかもしれない。
しかし、何よりも“仕事の道具”であることを追求したEliteBook 820 G1にとって、同機が意味する「ハイエンド」がスペックやシステム性能以外の面にあることは、あらかじめ知っておく必要がある。実際に試用してみると、このマシンはスペックでは量れないことが分かるはずだ。
まず最も目を引くのがボディの堅牢さ。従来モデル(HP EliteBook 2570p)と比較して、ボディが約22%の薄型化され、重量も約19%軽量化しているが、EliteBookの名が示す信頼性はきちんと確保している。同機はマグネシウム合金によるハニカム構造といった従来の手法ではなく、「HP Dura Flex」と呼ばれる4層構造の樹脂に特殊な塗装を施すことで耐久性を実現。金属ボディの弱点だった衝撃によるへこみに対しても耐性を備えた。
見た目も樹脂のチープさはまるでなく、天板のさらさらとしたマットな質感が持ち運ぶときに心地よい。また、Wi-Fiアンテナ部分も継ぎ目なく塗装できるため、デザインの統一感にも貢献している。余計な装飾はなく、シンプルでありながら、機能美を感じさせる。
また、同社のビジネスノートPCは、11万5000時間を超える独自の耐久テスト(ヒンジ開閉や1点加圧など)に加えて、さらにEliteBookを冠したモデルは落下、衝撃、振動、粉じんをはじめ、数々の過酷な環境に耐えうる米軍調達基準(MIL-STD-810G)に準拠している。落下や衝撃にさらされやすいモバイルノートPCとしては非常に心強い。
一方、ソフトウェアでもビジネス用途を意識した独自機能が搭載されている。特に目を引くのがBIOSの自動復元機能と、データの暗号化およびインターネット経由で安全にデータを受け渡しできる「HP Trust Circles」だ。前者はネットワーク経由でのBIOSアップデートが行えるほか、仮にBIOS更新中に電源が落ちた場合でも自動復元してくれる。「HP Trust Circlesは、指定された暗号化フォルダを最大5名まで共有できる仕組みで、Trust Circlesのエージェントを持つ指定ユーザー以外がアクセスしても復号化できないため、機密データの安全なやり取りが行える。なお、BIOS自動復元機能はEliteBookシリーズのみが搭載する機能だ。
同社によれば、EliteBookのコンセプトは仕事の道具として「利用できない時間を限りなくゼロにする」こと。何よりもユーザーのビジネスを止めないことが優先されたモバイルPCということだ。ちなみに、そうした意味ではEliteBook 820 G1が東京生産の対象機種になっており、信頼性はもちろん、最短5営業日で納品できるため顧客からの急な要望にも対応しやすいというのもポイントだろう。
ボディと製品概要:厚さ21ミリ、重量約1.33キロの堅牢ボディ
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