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“LTEでも安い通話料金”は実現するか――通信キャリアが「VoLTE」を推進する理由

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 先週、VoLTEという言葉が世間を賑わせた。新聞各紙でも報じられたので、目にした読者も多いだろう。「VoLTE(ボルテ)」とはVoice over LTEの略であり、LTEの通信網を使って音声通話(電話)を実現するための新たな技術方式の名称である。

 現在の携帯電話/スマートフォンでは音声通話を「回線交換方式」で実現しており、通信キャリアはデータ通信用とは別に、通話専用の設備を用意している。これはデータ通信サービスの利用比率が高くなった第3世代携帯電話 (3G)の時代も変わらず、これまで音声通話用の回線交換設備とデータ通信用のパケット通信設備とが混在して運用されてきた。

 これに対してVoLTEは、音声通話もIPパケット通信の仕組みでやりとりする。“音声通話サービスもデータ通信アプリケーションのひとつ”とすることで、データ通信用の設備だけで電話サービスを提供できるようにするというものだ。

 VoLTEについては、今年1月24日にソフトバンクモバイルが「VoLTE時代の革新的な新定額サービスが登場!」というプレスリリースを発表(参照リンク)。VoLTE時代を見越して今年4月から新たな料金体系を投入するとして注目を浴びた。しかしフタを開けてみると、この発表は“当初はVoLTEではなく、従来方式でのサービス提供”であり、しかも音声やデータ通信の料金体系が“現行の料金体系よりも割高で、お得感が薄い”ものだったため、やや肩すかしな内容だった。とはいえ他社に先駆けて大々的にVoLTEと銘打ったことで、業界内に波紋を投げかけたのは確かだ。

 →4月21日から:ソフトバンク、4Gスマホに「通話定額」を提供——VoLTE導入を見据えた新料金(参考記事)

 →石野純也のMobile Eye:ファブレットを訴求するau春モデル/Tizenと明暗分かれるFirefox OS/ソフトバンクの新料金プランはお得?(参考記事)

 実際、その後に実施されたNTTドコモとKDDIの四半期決算会見では、VoLTEに関する質問が記者から投げかけられた。ドコモ、KDDIともにVoLTEを用いたサービスの投入時期・料金体系への明言は避けたものの、2014年中にはサービスを開始する方向性を示唆した。VoLTE対応サービスの開始には、対応端末とLTEエリアの拡大がセットで必要になるが、早ければ2014年後半にはキャリア各社の「VoLTE競争」が始まりそうである。

NTTdocomoソフトバンクの新料金体系について質問されたNTTドコモの加藤社長は「大変工夫しているな、という印象」と答えた(クリックすると決算会見記事へジャンプ)
KDDI同じく決算会見でソフトバンクの新料金体系について質問されたKDDIの田中孝司社長は「あれ、高いよね」とコメント。「音声通話の定額プランについては、将来的にVoLTEの導入を想定して検討している段階にあるが、すぐに提供できる状況にはない」と話した(クリックすると決算会見記事へジャンプ)
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