NECは1月30日、連結子会社でISP「BIGLOBE」を運営するNECビッグローブの全株式を投資ファンドの日本産業パートナーズに売却すると正式発表した。3月末をめどに株式譲渡を完了する予定。NECビッグローブは「日本産業パートナーズの豊富な経営支援ノウハウを活用することで、より機動的かつ戦略的に事業を展開する」としている。
売却により、2014年3月期の個別決算に関係会社株式売却益として約340億円、受取配当金として約48億円、連結決算に関係会社株式売却益として約270億円を計上する見込み。
BIGLOBEは1996年、NECのインターネット接続サービスやパソコン通信サービスを統合する形で開始。BIGLOBE部門は2006年に「NECビッグローブ」としてNECから分離して会社化した。
NECは通信インフラやシステム開発事業への経営資源の集中を進めており、BIGLOBEとの相乗効果が薄れたとして売却を決めたとみられる。NECがNECビッグローブのノウハウやサービスを活用して事業運営する企業向けサービス・SI事業は従来通り継続する。
日本産業パートナーズはみずほ証券などが事業再生を目的に設立した投資ファンド。子会社の外部への切り出しなどに実績を持ち、アイ・ティー・エックス(ITX)の再編などを手がけている。
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