オリンパスは1月29日、マイクロフォーサーズ規格に準拠したミラーレスカメラの新製品「OM-D E-M10」を2月末より販売開始すると発表した。ボディのみ、新レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」をセットした14-42mm EZレンズキット、望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R」もセットしたEZ ダブルズームキットが用意され、いずれも価格はオープン。
実売想定価格はボディのみが8万円前後、レンズキットが9万5000円前後、ダブルズームキットが11万円前後。
シリーズ最上位機「OM-D E-M1」(レビューまとめはこちら)、中級機「OM-D E-M5」(レビューまとめはこちら)に続くエントリーに位置づけられる機種。上位機からさまざまな特徴を引き継ぎながら、新たな沈胴式レンズも用意することで撮影時の軽快さを高めた。
撮像素子はE-M5と同様の有効1605万画素 4/3型 ハイスピードLive MOSセンサーを搭載し、ここにE-M1と同様の画像処理エンジン「TruePic VII」を組み合わせる。ISO感度は拡張設定でISO100相当の設定も可能だ。TruePic VIIの搭載によって、レンズや絞り値に応じたシャープネスや倍率色収差の補正、偽色の低減処理などを行う「ファインディテールII」、エメラルドグリーンやイエローなど色再現の難しい色も忠実に再現する「リアルカラーテクノロジー」などの画像処理技術も実装されている。
エントリーモデルの位置づけながらEVFは144万画素と高精細で、ファインダー倍率も0.57倍と大きく見やすい。また、E-M1が備える、外環境の明るさによってEVFのバックライト輝度を調整し、目の明暗順応による視覚誤差を低減する「キャッツアイコントロール」も搭載している。また、EVFの駆動速度を通常の倍、120fpsとする高速モードも備えており、加えて、高速モード時には表示タイムラグを約0.007秒(標準モード時は約0.027秒)まで短縮できる。
ボディの天面には電子ダイヤルとファンクションボタンをそれぞれ2つ搭載、3型の液晶はタッチパネルとなっており、上位機とほぼ同様の操作感覚を提供する。ペンタ部には、ガイドナンバー8.2のストロボも内蔵する。
ボディ内には縦/横/光軸の3軸手ブレ補正を搭載しており、補正効果は3.5段分となる。補正軸は3軸とE-M1/M5の5軸よりも簡略化されたが、M1に導入された「VMC」方式を採用する。また、動画撮影時には電子式を併用する「M-IS」モードが利用でき、歩きながらなど振れ幅の大きなブレに対しても補正効果を発揮する。
AFはコントラストAFの「FAST AF」で、合焦速度は最高0.13秒(CIPA AF時間試験法準拠、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ使用時)。測距点はE-M1と同じく81点で、C-AF時の被写体捕捉アルゴリズムも改良されており、動体撮影時のAF追従速度を高めている。連写は最大8コマ/秒で、C-AF時でも最大3.5コマ/秒となる。
Wi-Fiも搭載しており、対応アプリをインストールしたスマートフォン/タブレットへの画像転送やリモート操作を行える。キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」のズーム操作も可能だ。
撮影機能としてはデジタルフィルターの「アートフィルター」や組み写真のような表現を行う「フォトストーリー」などに加え、新たに画像合成によって「街の夜景と星の軌跡」などいった光跡のある写真を手軽に撮れる「ライブ・コンポジット」を新たに備えた。
ボディーカラーはブラックとシルバーの2色。ボディサイズは119.1(幅)×82.3(奥行き)×45.9(奥行き)ミリ、約396グラム(充電池およびメモリカード含む)で、キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」を装着した以上でも奥行き約64ミリ、約460グラムに収まる。
キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」は35ミリ換算28〜84ミリ相当の焦点距離をカバーする3倍ズームレンズで、カメラ本体の電源ON/OFFに連動する沈同構造を備えており、未使用時には全長22.5ミリとズームレンズながらパンケーキレンズとも呼べる薄さを実現している。
別売オプションとしては専用の着脱式グリップ「ECG-1」(7500円 税抜)、ソフトカメラケース「CS-44SF」(6000円 税抜)などを用意する。
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