昨年から新たな名称で再スタートを切ったばかりの「IBM Connect」カンファレンスだが、Lotusphereから数えると21回目となる。たとえて言えば、米国ではアルコールが飲める歳になったわけだが、その味はLotus時代からさらに熟成が進み、深みを増しているようだ。
米国時間の1月27日朝、IBM Connect 2013がフロリダ州オーランドのウォルトディズニーワールドで開幕した。昨夜からの暖かい春雨もオープニングのジェネラルセッションが始まるころにはすっかり上がり、避寒地らしい陽気が戻ってきた。参加者数こそ明らかにされていないものの、例年と変わらない多くの顧客やパートナーらが詰めかけたドルフィンホテルの巨大なボールルームは、「Lotusphere」らしい熱気に包まれた。
サプライズゲストのセス・マイヤーズ氏(サタデー・ナイト・ライブの人気タレント)やCMソングで人気のバンド、American Authorsが会場を沸かせると、IBMのソフトウェアグループでインダストリーソリューションを統括するクレイグ・ヘイマンGMが登場、今年掲げたテーマ、「ライフワークの活性化」(Energizing Life's Work)について話を始めた。
「人は、社員として企業で働く一方、消費者として商品を買う存在でもある。どちらの立場でも肝心なのはエンゲージメントであり、自分のことを理解してもらい、マスではなく“個”として扱ってほしいと考えている」とヘイマン氏。
市場ではソーシャル、モバイル、ビッグデータアナリティクス、そしてクラウドという新しいテクノロジーの潮流がかつてない大きなうねりとなっている。これまでIBMでは、旗艦製品のNotes/Dominoに加え、企業向けのソーシャルソフトウェア製品であるIBM Connectionsを投入したほか、Notes/Dominoで培ったRAD環境をe-コマース向けにも転用させ、アナリティクスを組み合わせながらデジタルエクスペリエンスを改善する製品も用意するなど、その「人を中心とした」ソリューションの幅を広げてきた。
2012年のKenexa買収も記憶に新しいだろう。IBMは、クラウド型の人材管理アプリケーションと人事に関するコンサルティングサービスを提供する同社を買収、昨年のConnectカンファレンスでは、Kenexa創業者のルディ・カーサン氏がオープニングのジェネラルセッションに登場し、IBMのアナリティクス機能を組み合わせ、より良い組織づくりを支援していくことを明らかにした。
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.