KDDIは1月22日、auの2014年春モデルとしてLGエレクトロニクス製の「G Flex LGL23」(レビューまとめはこちら)を発表した。曲面ディスプレイを搭載するAndroidスマートフォンとして話題を呼んだ「LG G Flex」の国内向けモデルで、1月25日に発売する。
KDDI代表取締役社長の田中孝司氏はG Flexを「異才のファブレット」と表現。KDDIとLGが共同開発し、この冬春モデルとしてラインアップされている「isai LGL22」(レビューまとめはこちら)を引き合いに紹介した。国内初の曲面ディスプレイを備えるG Flexは、確かにisai以上に異才な1台だ。なおG Flexはauとの共同開発ではないため、同じLG製でもisaiシリーズではないという。
注目の曲面ディスプレイは、6インチ HD(720×1280ピクセル)表示のプラスチック OLEDと呼ばれる柔軟性がある有機ELで、半径700ミリという曲がり具合で緩やかなカーブを描いている。発光素子のピクセル配列はペンタイル方式ではなく、RGBの縦ストライプのリアル RGB OLED方式を採用。ペンタイル方式に比べて明るく色の偏りがないため、有機ELが苦手な白いものも自然に描画できるという。
誰もが感じる“曲面”なワケは、6インチというディスプレイサイズと強く関係している。大画面へのニーズに応える形で数を増やしつつあるファブレットだが、大きくなれば当然持ちやすさが損なわれる。またボディが大きくなれば通話時にマイクが口元から離れるため、違和感ある通話スタイルになってしまう。こうしたファブレットならではの課題を解決するため、G Flexは人間工学に基づいてなだらかなカーブを採用したという。確かにG Flexはよく手になじみ、大きさの割に持ちやすい印象を受けた。また机上に置いている状態でボディの一部が浮いているため、手に取るときに指をかけやすい。
LGとKDDIはそのほか、横画面で動画視聴した際の臨場感アップも訴求している。画面が大きいと(目との距離にもよるが)視線の移動が発生するが、G Flexの曲面ディスプレイでは画面の端が視線に向くため、視線の移動が少なくなる。そのため、モバイルデバイスでありながら映画館の様な臨場感や没入感が味わえるとしている。ただその場合の推奨視聴距離は約30センチであり、手に持ったまま長時間の映像を見るのはあまり現実的ではない。本当に映像にのめり込むなら、それなりの視聴環境の準備が必要になるだろう。
そのほかズボンの後ろポケットに入れやすいというメリットもあるが、ボディがフラットでないため収納時に必要なスペースが増えており、バッグにしまう場合はかさばってしまうかもしれない。
G Flexのボディは曲がっているだけでなく、ある程度の柔軟性を持っているのも特徴だ。間違ってG Flexを踏んだり座ったりしても、ボディがすぐに折れることはない。ディスプレイだけでなくバッテリーや基板などもある程度フレキシブルにできており、ひと1人がちょっと乗った程度では動作に支障はないという。もちろんさらに曲げたり、フラットに伸ばすことを推奨しているわけでなく、強い負荷がかかると故障の原因になるのはほかのスマートフォンと同様だ。
G Flexは背面にスクラッチリカバリコーティングという、自己修復する塗装を施している。自動車やPCの塗装では同様のものがあるが、国内向けのスマートフォンでは初めて採用されたという。これもボディがカーブしている点と関係がある。G Flexを机の上に置くとどうしても接地面が集中してしまうため、フラットなボディに比べてキズが付きやすい。そこで、浅い傷なら自然に消えるようコーティングされている。
G Flexの電源キーやボリュームキーは背面にあり、カーブしている点を除くとそのデザインは「G2」に近い。左右どちらの手に持っても使いやすいように工夫されたレイアウトであり、ファブレットならその恩恵をさらに強く受けられそうだ。
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