テキストメッセージをチェックできる腕時計型端末や動画を撮影できるメガネ型端末など、各種のウェアラブル端末が大いに注目を集めているが、消費者がこうした端末に飛びつくことはまだ当分はなさそうだ。現在提供されている製品はまだデザインが使いづらく、価格も高く、技術的にも制約があるものが多いからだ。
ラスベガスで先週開催された世界最大の家電見本市「Consumer Electronics Show」(CES)の広大な展示会場を見て回ったIT幹部やアナリストの多くは、こうした結論に達している。
CESで展示されたウェアラブル製品の大半は、利用者の心をつかむほどの独自の魅力は備えておらず、新しい型に技術を詰め込んだだけのお粗末な試作品に見えた、と懐疑的な向きは指摘する。
米Bernsteinの半導体アナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は1日かけてCESを見てまわり、フィットネス用リストバンドや腕時計型端末など、見かけた端からすべてのウェアラブル端末を写真に収めたという。
「写真は20枚ある。だが写真を見ても、どの製品がどのベンダーのものか区別できない。どれも同じに見える」と、ラスゴン氏は語る。「ウェアラブル端末は素晴らしいアイデアに思えるし、実際、これから多くの実験が行われるのだろう。今は、どれが壁に張り付くか(生き残るか)を見極めるために手当たり次第に壁にスパゲッティを投げつけているような状態だ」と、同氏は続ける。
ソニー、韓国Samsung Electronics、米Qualcommはそれぞれ、新製品あるいは最近リリースしたばかりのスマートウォッチを披露した。その多くは携帯電話と連係して機能し、メッセージや人と会う約束などを確認できるようになっている。運動量など身体活動を記録できることで人気の「Fitbit」のようなリストバンド型端末も、CESでは数多く展示された。
「ウェアラブル端末が注目度の高さに見合った実力を備えるためには、真のソリューションとなる必要がある。重要なのは技術そのものではなく、技術によってこれまでにできなかった何をできるようになるかだ」と、Intelのウェアラブル戦略を統括する上級幹部のマイク・ベル氏は語る。
「機能と形状とユーザー体験も、端末に詰め込む部品と同じくらい重視する必要がある」と、同氏は続ける。
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