インテルの日本法人は2014年1月17日、都内で会見を開き、インテルおよびインテル日本法人としての2014年の事業方針などを明らかにし、IoT(モノのインターネット)を中心とした組み込みシステム分野やタブレット端末などのモビリティ分野でのビジネス成長を狙う姿勢を打ち出した。
会見の冒頭、インテル日本法人社長の江田麻季子氏は、インテル米本社が2014年1月16日(米国時間)に発表した2013年第4四半期(10〜12月)業績に触れ、「PC市場が安定化の兆しを見せ、データセンター向けも好調だった」とした。2013年第4四半期の売上高は138億米ドル、営業利益は35億米ドルでいずれも前年同期実績を上回った。
なお、2013年通期業績については、売上高が527億米ドルで前年比1%減、営業利益は123億米ドルで同16%減と、PC市場の低迷が響いて減収減益だった。
2014年通期業績見通しについても、「2013年の売上高とほぼ同等。研究開発費(2013年実績約105億米ドル)、設備投資費(同110億米ドル)も2013年とほぼ同等」との見方を示した。
その中で、インテルおよびインテル日本法人としての注力分野として、「データセンター」「PCエクスペリエンス」「モビリティ」「テクノロジー」の4つを挙げた。江田氏は、「2014年は、(PC向けビジネスなど)既存事業は粛々と成長を継続させながら、新しい成長分野での事業を強化していきたい」とした。
新規の成長分野としては、急速な需要拡大が見込まれ、「特に期待している」というIoT向けを中心とした組み込みシステム向けのビジネスの拡大を狙う。組み込み用デバイス「Quark」(関連記事:Intelが“iPhone 5sのA7”と同じ64ビットSoC「Quark」を発表——マイコン市場を脅かすか?)などで、ARMが先行する小型の組み込み機器市場への浸透を狙う。
モビリティ分野も成長分野として位置付け、「Atom」を中心にタブレット端末でのインテル製品の採用拡大を狙う。スマートフォンに対しては「2014年は、(スマートフォンメーカー)4〜5社にフォーカスして、ボリュームを出していく」(江田氏)とした。
2013年は需要の低迷が続いたPCに向けては、「デザイン面、機能面での革新を追求し、(タブレット端末としても利用可能なコンピュータ)2in1デバイスなどに向けて品ぞろえを増やしていく」とした他、さまざまなユーザーインタフェースでより直感的な操作が行えるパーセプチャル(知覚)コンピューティングの実現を図っていく。
テクノロジー面では、「2014年は、大きなマイルストーンの年になる」とし、次世代製造プロセス技術である14nmプロセス技術への期待を表した。14nmプロセス採用プロセッサ製品について江田氏は「2014年1〜3月から製造をスタートし、2014年後半に出荷を開始する」との見通しを示した。
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