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“脱・Windows XP”のPCを選んでみる――XPサポート終了まで3カ月

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←・SOHO/中小企業に効く「ビジネスPC」の選び方(3):Windows XP搭載PCの買い替えで考慮すべき問題——ノートPC化から消費税まで

そろそろ職場の古いXPマシンを残さず入れ替えるべき

tm_1401_xp4_01.jpg法人向けノートPCにおける製品ラインアップの一例。こちらはNECだが、エントリー、スタンダード、ハイエンド、モバイルというカテゴリと、価格帯・スペックでラインアップが整理されている

 前回は、社内のPCをまとまった台数だけ入れ替える際、リファレンスとなる推奨モデルを2〜3パターン決めておき、そこに必要台数を当てはめていく手順について説明した。

 BTO(Build to Order)メニューによる性能強化が必要なのはごく一部のスタッフだけで、後は基本的にリファレンスモデルそのままという考え方だ。こうすれば業務ソフトウェアの動作検証も容易になるほか、予算計画が立てやすくなる。またPCの種類を減らすことで、導入後の管理も容易になるというわけだ。

 さて、こうした考え方のもと、PCメーカーの法人向けラインアップを見ると、すでにある程度これに近い考え方に則ってラインアップが整理されていることが分かる。たまたまモデルチェンジの途上で似た製品が重複していたり、セットモデルが存在することでラインアップが枝分かれしているケースを除けば、おおむね4〜5モデル程度に集約されるはずだ。

 今回は、主要メーカーのノートPCラインアップにおいて、Windows XPからの移行で一括導入するのに適したPCをチェックしつつ、選び方のポイントについても見ていこう。

パーツ別に押さえるべきポイントを知る

 最初に、どのグレードのPCにも共通する「パーツ別の選び方」について見ていこう。

Windows 7か、Windows 8.1か

 従来のWindows 7を選ぶか、あるいは最新のWindows 8.1を選ぶかは、第2回でそのポイントをご確認いただきたい。折衷案として、Windows 8.1 ProライセンスのダウングレードによるWindows 7 Professionalプリインストールモデルを導入し、当面はWindows 7を、将来的にWindows 8.1へアップグレードする方法もある。

 これならWindows 8.1のサポート有効期限である9年という長い期間を生かせるうえ、操作性がWindows XPに近くソフトウェアの互換性も高いWindows 7へとスムーズに移行できる。実際に各社の製品ラインアップを見ると、Windows 7搭載モデルの多くが、このダウングレード権を利用している。

OSは32ビットか、64ビットか

 32ビットの場合、メモリ容量が4Gバイト以下に制限されてしまう。その点では64ビットを選択するのが望ましいが、まだ対応していないソフトも少なくない。社内業務で利用する必須ソフトが64ビットに対応しているかが判断の目安となる。そもそも、4Gバイト超のメモリを将来に渡って搭載しないのであれば、64ビットにこだわる必要はない。

CPUのグレード

 今PCを選ぶ際、最も分かりにくいのがCPUだろう。現在ノートPCで主流のCPUを大ざっぱに分けると、性能が低く、安価な順番から「Celeron」「Core i3」「Core i5」「Core i7」の4択となる。

 さすがに一般的な法人ユースでCore i7は宝の持ち腐れの感が強く、価格も割高だ。ひとまずCore i3を基準とし、価格重視の大量導入であれば、BTOメニューで最初から選択されていることが多いCeleron、もうワンランク上ということであればCore i5を選択するとよいだろう。ほかのパーツに比べると総額に与える影響が大きいので、各社のキャンペーンなどもうまく活用したい。

ディスプレイのサイズと解像度

tm_1401_xp4_02.jpg15型クラスでフルHD表示の液晶ならば、精細な表示となり、広い作業領域が得られる(画像はエプソンダイレクトの「Endeavor NJ5900E」)

 社内で使うノートPCは標準で15.6型ワイド、あるいはひとまわり小さい14型ワイドが基準になるが、これまで使っていたディスプレイが外付けの大きなサイズだと、リプレースしたことで画面が小さくなった(作業効率が落ちた)と感じる可能性もある。こうした場合は17型ワイドを選んでもいいが、ノートPCで17型以上に対応するモデルは限られ、価格も上がるので、そこまで行くならばデスクトップPCや、外付けディスプレイの導入も視野に入れるべきだ。

 解像度は1366×768ドット(WXGA)が最低ライン、上は1920×1080ドット(フルHD)となる。ノートPCではより高解像度のディスプレイ(高画素密度のIGZOディスプレイやRetinaディスプレイなど)も増えつつあるが、画面サイズに比べてあまりにも解像度が高いと、アイコンや文字の表示が小さすぎて、拡大表示して使うことになるので、業務向けPCでそこまでの高精細表示は、重要ではないだろう。モバイル用途に関しては、視認性、操作性、可搬性のバランスを踏まえて、13.3型ワイド前後が基準となる。

ディスプレイはグレアかノングレアか

 光沢のあるグレア液晶と、非光沢のノングレア液晶のどちらを選ぶかについては、業務用途であれば、蛍光灯などの映り込みを防ぐため、ノングレア液晶がおすすめだ。法人ユースのBTOメニューは多くがノングレア液晶を用意しているが、個人向けのラインアップから選択する場合はグレア液晶が主流なので注意したい。デスクトップPCを選択し、ディスプレイだけは別メーカーの製品を買う場合も同様だ。

メモリの容量

 PCの用途にもよるが、一般業務で利用するのであれば2Gバイトないしは4Gバイトで必要十分だ。グラフィックス系ソフトウェアなどで特に処理能力を必要とするのであれば、8Gバイトが無難だろう。なお前述の通り、Windowsが32ビット版であれば上限は4Gバイトとなる。

ストレージの容量とタイプ

 外回りで持ち運ばずに社内でのみ利用する場合、ローカルのHDDがあまりに大容量だと、ディスクのクラッシュによるデータ消失リスクが高まるほか、利用者が業務と無関係なデータを蓄積したり、不要なアプリケーションをインストールする原因にもなりうる。データはNASなどに保存することを前提に、ローカルのHDD容量は絞り込むのが得策だ。

 なお、コンシューマー用途で普及が進みつつあるSSDは、容量に比して高価なこともあり、法人ユースにはあまり適していない。導入するとしても、モバイルノートにUltrabook(SSDかハイブリッドHDDを搭載)を選定する場合か、ハイエンドユースの「松」コースになるだろう。

光学ドライブの有無

 個人ユースではCD/DVDドライブなどの光学ドライブが標準で付属することが多いが、すべてのPCで選択するとコスト増の要因になりやすいだけでなく、外部へのデータ書き出しが容易にできてしまうことから、機密データの漏えいなどにつながる危険性がある。

 BTOメニューで有無を選べるようであれば、原則として搭載しないのがよいだろう。取引先へのデータ配布など高い頻度で利用するのであれば、必要に応じて外付けの光学ドライブを用意し、利用の度に管理部署から貸し出すといった方法も考えられる。

バッテリー駆動時間

 社内で利用する場合はコンセントにつないで利用することになるので、長時間のバッテリー駆動は考慮しなくてよいだろう。モバイルユースに関しては、欲張り始めるとキリがないが、増設バッテリー込みで公称10時間程度の駆動時間があれば、外回りの場合も終日充電しなくて済むことが多い。ACアダプタの携行を想定しているのであれば、そこまでこだわる必要はないだろう。

キーボード

tm_1401_xp4_03.jpg15型クラスのノートPCは、テンキーを装備するのもの多い。写真は「HP ProBook 4540s/CT」(日本ヒューレット・パッカード)

 ノートPCを選ぶ際によく失敗しがちなのがキーボードで、キーの配置が特殊だったり、特定のキーのサイズが小さかったりすることで、不満の声が上がりやすい。ノートPCではキーボードの交換ができないので、なおさらだ。

 また15型クラスのノートともなると、製品によってテンキーを備える場合とそうでない場合があるので、数値入力が多い業務で利用する場合は気をつけたい。どうしてもという場合は、外付けのキーボードで対応することになるが、一括で入れ替えをするのであれば、最初の時点で要件の聞き取りを行っておいたほうがよいだろう。

 また、タッチパッドやスティックといったポインティングデバイスは好みが分かれがちだが、使いにくい場合は外付けマウスで対応できる。

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