ウェアラブルへの本格的な取り組みを推進
長らくMicrosoftの指定席だったInternational CES開催前日夜の基調講演だが、2013年はQualcommポール・ジェイコブスCEOへ引き継がれ、そして今回の2014年はIntel新CEOであるブライアン・クルザニッチ氏の出番となった。同氏がIntelのCEOになってから、IDF 2013に続く2回目の一般の場での講演となる。
さて、Intelが昨今流行の「Internet of the Things(IoT)」のコンセプトを強く打ち出し始めたのが2013年9月のIDFの場。そこで発表されたのがQuarkプロセッサとGalileoプラットフォームだが、そうした過程での成果の一部がCESの基調講演で紹介された。
例えばイヤフォンと活動量計を組み合わせたSmart Earbud(Budは房の意味がある)、電脳音声アシスタントのスマートヘッドセット、そしてスマートフォンを含むこれらウェアラブルデバイスを一度にワイヤレス充電できる「スマートチャージングボウル」など、実際にすぐに活用できそうなデバイスの数々だ。おなじみのスマートウォッチも紹介されたが、Intelは「Smart Geo Fencing(スマートジオフェンシング)」の仕組みを前面に出したものとなっている部分が少し異なる。デバイスを身につけたユーザーが特定の活動範囲を逸脱した場合──例えば誘拐や何らかのトラブルが発生するとアラートを自動発信するなど、単なるスマートフォンの延長ではない使い方提案を行っている。もちろん新しい分野のデバイスだけに、一般に対する認知やプロモーションはまったくの未知だろう。そのため、IntelはBarneys New Yorkらファッションブランド複数社と連携することで、こうした一般への訴求を推進する意向を示した。
デバイス開発をさらに推進するため、超小型コンピュータ「Edison」も新たに発表した。
EdisonはSDメモリーカードサイズのフォームファクタにQuarkプロセッサを内蔵した小型コンピュータであり、アプリケーションやデバイス開発を容易にする仕組みを備えている。通信のためのWi-Fi/Bluetoothも内蔵しており、これと既存のPCを組み合わせた新しい提案を利用者自らに開発してほしいというわけだ。同社は総額130万USドル(日本円換算約1億3621万円)の「Make It Wearableチャレンジ」と呼ぶアプリケーション/デバイス開発コンテストの実施を宣言しており、特にこのEdisonを使った新たなアイデアを広く募集する。Edisonは2014年夏ごろのリリースを予定している。
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