個人事業主が挑戦:KDDIの起業支援サービス「SmaBI」はどこまで使える? (1/4)
書類作成を中心に起業に関するさまざまな課題解決をサポートするサービス「SmaBI」。実際に個人事業主として独立している筆者がその使い勝手を試してみた。
私が初めて会社設立に関わったのは、2010年4月のこと。当時会社員だった私は、知人からの声がけで法人設立を手伝うことになった。その2カ月後、私自身も個人事業主として独立し、現在はその事業を法人化して運営している。
会社設立そのものは、誰にでもできる。資金面にしても資本金は1円から可能になったし、30〜50万円程度あればすぐに設立できる。しかし厄介なのが、設立に必要な書類の作成だ。もちろん設立後にも、この“書類作成”という業務は経営者にとって頭を悩ませることの1つとなるだろう。
そこで今回は、書類作成を中心として経営に関するさまざまな課題解決をサポートし、経営の円滑化に一役かってくれそうなサービスを紹介したい。それが、「SmaBI(スマビ)」だ。サービスを提供するKDDIとプロジェクトニッポンに聞いた話も踏まえて、実際にサービスを利用した上でSmaBIの使い勝手や感想を述べていく。
コストと時間の天秤から抜け出す「会社設立キット」
現在私が経営するナレッジ・リンクスは、顧問契約を結んでいる税理士事務所からの紹介を受け、司法書士にそれら書類作成の一切を委託した。恐らく多くの法人が私と同じような選択をしていることだろう。しかし「委託する」ということは、当然ながらそこにコストが発生する。
中には「設立0円」などをうたう設立サポートサービスも存在するが、それらは税理士事務所との顧問契約、あるいはオフィス用品や通信サービスの契約、購入を必須とする場合がほとんど。結局のところ、最終的には何かしらのコストが発生するわけである。
では、自分たちで会社設立をすることはできないのか?
インターネットで「法人設立」などと検索すると、上位には先に挙げたような設立サポートサービスのWebサイトがヒットする。そのため、そもそも自分たちで会社を設立しようという考えも浮かばないケースが多いのだが、結論から言えばそれは可能である。
実際私が初めて設立に携わった会社では、設立に必要な書類作成から申請に至るまで、すべてを自分たちで行った。会社設立に必要なのは“書類の作成と申請”なのだが、これらは必ずしも外部の力に頼る必要などないのである。
自分たちで設立できれば、委託に必要なコストは削れる。専門家だと電子定款によって幾分か設立費用を抑えられるのだが、結局は委託料が上乗せされるので変わらない。
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