“Kaveri”はAMD史上最高のAPU
AMDは、米国時間の1月6日、ネバダ州ラスベガスのInternational CES会場において記者発表会を開催し、1月14日に市場投入を予定している、次期メインストリームAPU「Kaveri」(カヴェリ:開発コードネーム)の概要や、今後投入予定の新製品に関する情報を公開した。
加えて、同社やARM陣営が推進するCPUとGPUの密接な連携を実現するHSA(Heterogenious System Architecture)対応アプリケーションのパフォーマンスや、独自のグラフィックスAPI「Mantle」(マントル)に関するアップデートも行なった。
AMDで製品ビジネスを統括するリサ・スー上級副社長は、APUに対する需要は今後急速に伸びてゆき、2015〜2016年には3億ユニット超の出荷が見込まれるとアピール。さらに、そのうちの半数以降はノンPCベースのシステムになるだろうという見方を示した。
APUビジネスの飛躍のカギとなるのが、開発コードネーム“Kaveri”で知られ、1月14日に市場投入される次期メインストリームAPU「2014 AMD A-シリーズ」であり、「AMDとしては過去最高のAPU」とスー氏は位置づける。
同社は、Kaveriが世界初のHSA対応APUとなり、HSA対応アプリケーションは、CPUだけでなくGPUもコンピューティングコアとして活用できるようになり、大幅なパフォーマンスアップや、新しいアプリケーションの創造が可能になると指摘。最大構成で12コンピュートコア(CPUコア×4、GPUコンピュートクラスタ×8)が、最大856GFLOPSの演算性能を実現するとアピール。また、Kaveriには、最新グラフィックスカード「AMD Radeon R9 290X」などで採用された、高性能オーディオDSP機能「AMD TrueAudio」もサポートされるほか、デスクトップCPUながらTDPを95〜45ワットの範囲でカスタマイズできるConfigurable TDPに対応することが明らかにされた。
さらにスー氏は、Kaveriのパフォーマンスについて、AMD A10-7850KがIntel Core i5 4670Kに対して、PCMark8 v2のHomeスコアで24%、3DMarkのFire Strikeテストで87%、Basemark CLで63%、性能で優位に立っているというベンチマーク結果を公開した。
一方、TrueAudioはゲームのオーディオ拡張だけでなく、ビジネスシーンでも有効に利用できるとして、音声認識ソフトのノイズリダクションに同機能を利用することで、音楽やほかの人の声が聞こえる環境でも、CPUにまったく負荷をかけることなくユーザーの声だけをフィルタリングすることができると紹介。続けて、Kaveri最大の特徴でもあるHSA対応アプリケーションを利用すれば、仕事でも大幅なパフォーマンスアップが図れるとして、LibreOfficeのExcelの演算マクロでHSAアクセラレーションを活用して7倍の高速化を実現したという例も示した。
Kaveriは、まずデスクトップ向けのAPU単体が1月14日に発売され、そのラインアップとしてAMD A10-7850KとAMD A10-7700Kの2種類になることが明らかにされている。
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