Huaweiは2014年1月6日(現地時間)、米国・ラスベガスで開催される2014 International CESの開催前日にプレスカンファレンスを行い、最新スマートフォンの「Ascend Mate 2 4G」を発表した。同モデルは2013年1月に発表された「Ascend Mate」の後継モデルとなる。Ascend Mateは発表当時、6.1インチという世界最大画面サイズのスマートフォンとして話題を集めたが、今回発表したAscend Mate 2 4Gではその初号機の機能やデザインが大きくブラッシュアップされている。Ascend Mate 2 4Gは米国と中国に加え、グローバル市場で発売される予定。なお発売時期や予定価格は公表されていない。
大きな画面とバッテリーで長時間利用できる
新製品発表会にはHuaweiのコンシューマービジネスグループCEOのリチャード・ユー氏が登壇。「2013年に発表したAscend Mateは、ユーザーからポジティブなフィードバックを多く受け取っている。エンターテインメント利用はもちろんのこと、ビジネスシーンでも活用できる大きな画面、大型のバッテリー搭載で長時間利用できることが、高く評価を受けている」と説明した。
リチャード氏自身もAscend Mateをメールの確認など仕事で活用しており、簡単な仕事はもはやノートPCを使う必要がなくなったそうだ。またパリに出張に行った際は会議の出席者が会議前にまず自分のスマートフォンの充電を始めたのに対し、Ascend Mateは充電をすることなくそのまま会議中も使い続けることができたという。このように自身の体験談を交えながら、スマートフォンのバッテリー持続時間は、今や製品選択時の重要な要素の一つになっていると説明した。
ベゼル幅を細くすることで持ちやすく
「大画面」「長時間駆動」という2つの大きな特徴を持つAscend Mateは、24時間いつでもエンターテインメントを楽しみ、友人たちとつながり続けたいユーザー、あるいは移動中でもシームレスに仕事を続けたいビジネス層を主なターゲットにしている。Ascend Mate 2 4Gは、Ascend Mateがよりパワフルに、そして使いやすくなるよう、大きく機能が引き上げられている。
まず「本体の持ちやすさ」が改善されている。Ascend Mateと同じ6.1インチの大型液晶を搭載しながら、片手で持ちやすいようにリアカバーを湾曲させ手の平にフィットするデザインにし、ディスプレイと本体下部のボタン部分の幅も狭くした。さらに、本体前面のディスプレイ部分の面積比を上げ、ベゼル幅を3.1ミリに細くしたことでスリムになった。前面のディスプレイ面積の割合は79%で、「iPhone 5s」など他社の上位製品よりも広くなっている。
通信方式はLTEに対応。FDD-LTEに加えTD-LTE方式にも対応する。FDD-LTEはCategory 4に対応し、下り最大150Mbpsの通信が可能とのこと。そして3Gは3GはW-CDMAとCDMA2000 EV-DOに加え中国のTD-SCDMAもサポートしている。さらにはGSMとCDMA 1xにも対応するなどほぼ全世界の通信方式をカバーしている。プロセッサーはクアッドコア1.6GHzで、グローバルモデルにはQualcommのSnapdragon 400/MSM8928、中国向けモデルにはHisiliconのA9を搭載する。
従来製品よりも最大30%消費電力をカット
もう一つの大きな特徴である「低消費電力」については、ソフトウェアによる制御で従来製品よりも最大30%の電力消費をカットしているという。バッテリーは4050mAhの大容量のものを内蔵。スマートフォンとしては長時間ともいえる2日間の連続利用を可能にした。ディスプレイはフルHDではなくエンハンスドHD(720×1280ピクセル)だが、これは低消費電力のLTPS(Low Temperature Poly-Silicon)パネルの採用を優先したためだという。バッテリーは外部出力も可能で、ほかのスマートフォンを充電することもできる。
カメラやUIも進化
カメラはインカメラの画質も強化。5メガピクセル、F2.4、画角88度のワイドレンズを搭載し、室内での集合写真も撮りやすくなっている。背面側のメインカメラは13メガピクセル、F2.0と明るく4センチまでのマクロ撮影にも対応する。撮影機能として、自分撮りをする際に正面からの撮影をしやすくする「Magic preview window」や、撮影した写真に音声をアタッチできる「Audio Photo」などを搭載している。
そのほか、Ascend Mate 2 4Gはユーザーインタフェースにも改良が加えられている。OSはAndroid 4.3を採用しているが、同OS上で動く自社開発のUI「emotion UI」の最新バージョン「2.0」を搭載。使いやすくなったウィジェットや、簡単操作が可能になるアイコンメニュー、そしてスリープモード時にアプリケーションを自動停止するマネジメント機能などを加えた。
自社ブランドにこだわり、2013年はスマートフォンの販売台数も増加
新製品発表の前には、Huaweiコンシューマービジネスグループのエグゼクティブバイスプレジデント、コリン・ギレス氏が、2013年のビジネスを振り返った。Huaweiは2012年に事業者向けのODM端末を中止し、すべての製品を自社ブランドで販売する方針へと切り替えた。その結果、2013年には販売端末全体の95%がHuaweiブランドで販売されるようになったとのこと。この販売スタイルの変更により端末の販売チャンネルも多様化を進め、2013年には販売量全体の半数が、事業者を通さない自社での流通ルートによる販売となった。
そしてフィーチャーフォンからスマートフォンシフトを進めた結果、2012年には全体の60%だったスマートフォン販売台数の比率が2013年には87%まで伸びた。2013年は四半期ごとにスマートフォンの販売台数は伸びており、2013年の通算では5200万台に達している。2014年のスマートフォン販売台数は8000万台を目標にしているとのこと。
このように、スマートフォンの販売台数が増え、また自社ブランド化を進めたことにより、同社のブランド認知度は2012年の25%から2013年は52%まで上昇。国別でみるとスペイン、ドイツ、イタリア、イギリスそして日本で前年比3倍になるなど、Huaweiブランドが着々と多くのコンシューマー層に認知されるようになっている。
2014年は引き続きブランド力の向上を進めるほかに、端末のデザインについても高品質、高質感のものを開発していく予定だという。もちろん技術革新は同社の端末開発の基本であり、LTEなど新しい技術への対応、Ascend Mate 2 4Gのカギとなる省電力化技術も進めていく。ギレス氏は「消費者の多くはスマートフォンを使うことで新しい体験を求めている。消費者の声に耳を傾け、ユーザーニーズを先取りした製品をこれからも開発していく」とまとめた。
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