ココが「○」 |
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・超高精細なRetinaディスプレイ |
・携帯性に優れた7.9型サイズ |
・iPhone/Macと連携、App Storeの豊富なアプリ |
ココが「×」 |
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・色域がiPad Airより狭い |
・初代iPad miniに比べて少し重くなった |
・Touch IDが欲しかった |
はじめに:7.9型サイズの「iPad mini Retinaディスプレイモデル」
年末商戦期に投入されたアップル製品を紹介する「冬ボで欲しいアップル製品」、iPad Airを取り上げた第1回に続き、第2回ではiPad mini Retinaディスプレイを見ていく。こちらも前回同様、測定器やベンチマークテストによるデータを中心に紹介していこう。
11月17日、やや唐突に販売が始まったiPad mini Retinaは、当初から言われていたパネルの供給不足もあって、発売時は十分な数をそろえることができなかった。即日注文したのになかなか届かない、という声も多い。ただ、そんな状況も現在は大きく改善されている。Wi-Fiモデルであれば、Apple Storeの出荷予定日は1〜3営業日、主要量販店でもほぼすべてのモデルで在庫が用意され、なんとか“クリスマスプレゼント”に間に合った形だ。
さて、iPad mini Retinaの見どころは、名前の通り、初代iPad miniで見送られたRetinaディスプレイ(2048×1536ドット/326ppi)を採用した点だ。もちろん、ハードウェアの仕様がアップル製品の魅力とイコールではないとはいえ、同クラスのタブレット端末が300ppiを越える超高精細なディスプレイを搭載する中、iPad miniが見劣りしていたのも事実。今回のアップデートを心待ちにしていた人は多いだろう。
また、CPUもiPad Airと同じ最新A7チップ(M7モーションコプロセッサ内蔵)を採用。
初代と比べてCPUパフォーマンスが4倍、グラフィックスパフォーマンスが8倍と、処理性能は飛躍的に向上している。外観上の違いはほとんどないが、別物といっていい。
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ボディと製品概要:7.9型ボディにRetinaディスプレイを搭載
ラインアップは、16Gバイト、32Gバイト、64Gバイト、128Gバイトの4種類。それぞれにWi-FiモデルとWi-Fi+Cellular(LTE)を用意し、カラーバリエーションはシルバーとスペースグレイの2色展開。この辺りもiPad Airと同じなので、単純に画面サイズの違いからiPad AirとiPad mini Retinaを選べるようになっている。
液晶ディスプレイ:超高精細な表示が魅力、ただしiPad Airよりも色域が狭い
iPad mini Retinaの魅力は、2048×1536ドット表示のRetinaディスプレイだ。前回同様、即色器を使ってディスプレイの品質をチェックしてみた。
測定による色温度は6941Kで、デジタルフォトの標準的な色域となっている「sRGB」で定められた色温度(6500K)よりも少し高い。iPad Airの6937Kとほぼ同じ値で、目視の印象も変わらない。白がより白く見えるすっきりとした表示だ。
ガンマカーブの補正結果も、RGB各色の入力と出力の関係がほぼ1:1となっており、シャドーからハイライトまで正確な階調を表示できる。非常に優秀な結果といっていい。一方、色域はsRGB(薄いグレーで重ねた部分)よりもかなり狭い。iPad AirはsRGBをほぼカバーしていたのでやや見劣りする結果だ。電子書籍を読むといった用途であれば問題はないが、写真閲覧用にiPadの購入を検討しているのであれば、色再現性の高いiPad Airのほうが向いている。
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