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「ARROWS Tab QH55/M」――10.1型“2560×1600”液晶とBay Trail-Tで進化した防水Windowsタブレットを徹底検証

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ココが「○」
・2560×1600ドットの10.1型液晶
・防水、防じん、耐薬品のボディ
・本体に収納できる防滴の筆圧ペン
ココが「×」
・先代機よりサイズ、重量が増加
・防水用カバーの開閉がやや面倒
・細くて短いペンが少々使いにくい

はじめに:生まれ変わった富士通の防水Windowsタブレット

ARROWS Tab QH55/M富士通の10.1型Windows 8.1タブレット「ARROWS Tab QH55/M」。価格はオープン、実売価格は9万5000円前後

 非常に強力なWindows 8.1タブレットが富士通から登場した。この「ARROWS Tab QH55/M」は、同社が2012年11月に発売した「ARROWS Tab Wi-Fi QH55/J」の後継にあたる10.1型タブレットだが、ボディの設計を一新し、従来の特徴である防水、防じん性能を継承しつつ、性能、機能ともに大幅に強化している。

 基本システムには、Bay Trail-Tの開発コード名で知られる2コア/4スレッド対応のAtom Z3770(1.5GHz/最大1.8GHz/2次キャッシュ512Kバイト)を採用した。インテルがタブレット向けに開発した最新のSoC(System On Chip)だ。先代のAtom Z2760(開発コード名:Clover Trail)から内部構造を刷新し、性能、機能、省電力特性を向上させており、快適な使用感と公称約15.5時間という長時間のバッテリー駆動を実現している。

 液晶ディスプレイの進化も特筆したい。縦方向が少し長いアスペクト比16:10の10.1型ワイド画面で、2560×1600ドットの高解像度に対応したIPSα液晶パネルを搭載する。画面にはマルチタッチ対応の静電容量式タッチパネルと、電磁誘導式デジタイザを装備し、指でのタッチ操作だけでなく、付属の筆圧対応スタイラスペン(1024段階の筆圧検知/ワコム製)でも操作できる。

 通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LANにBluetooth 4.0、NFCを内蔵。Micro USB(USB 2.0/Micro AB)に加えて、フルサイズのUSB 3.0(Standard A)、SDメモリーカードスロット(SDXC対応)など、インタフェースも充実している。本体はIPX5/7/8対応の防水性能とIP5Xの防じん性能を備えており、ペンもIPX2相当の防滴仕様と抜かりがない。

ボディと製品概要:光沢ホワイトボディに多彩な機能を凝縮

 まずは写真とともにARROWS Tab QH55/Mの概要を見ていこう。

ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/Mホワイトの液晶フレームは透明感があり、エレガントなイメージ。最近のタブレットとしては額縁がやや広めだ。2560×1600ドット表示の10.1型ワイド液晶ディスプレイの上部に照度センサーと約200万画素のインカメラがある(写真=左)。照度のほか、GPS、加速度、電子コンパス、ジャイロといったタブレットで主要なセンサー類はすべて内蔵している。背面にはカメラライト付きの800万画素カメラ、ボディの左右端に指紋センサーとNFCを備える(写真=右)。指紋センサーはスライド式で、Windows 8.1のログオンやWebサイトへのログイン時に必要なパスワード入力を指紋認証で代行できる。指紋センサーがあるのは背面だが、横位置で持った状態で、人さし指や中指を動かして自然に触れられる位置にある
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/M側面はヘアライン加工を施したシルバーのパーツが埋め込まれており、デザインのアクセントになっている。横位置の状態で上面にインタフェース類はない(写真=左)。下部には別売のスリムキーボードやクレードルを装着するドッキングコネクタ、ペンひもの取り付け用穴がある(写真=右)
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/M左側面は上から(写真では左から)、ヘッドフォン/マイク兼用端子、電源ボタン、音量ボタン、ショートカットボタンを搭載する(写真=左)。右側面の端子類には、防水、防じんを実現するため、パッキン付きのカバーがかぶされており、防滴ペンも右側面の下部に収納している(写真=右)。左右両側面の下部にステレオスピーカーを内蔵する
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/M右側面のカバーを外すと、ACアダプタ接続用のDC入力、USB 2.0(Micro AB)、USB 3.0、SDXC対応microSDメモリーカードスロットが現れる(写真=左)。防水、防じんはありがたいが、個々のカバーを開閉するのは少々面倒だ。光沢ホワイトの背面はツルツルした触り心地だが、切子細工の柄がインプリントされており、光の反射で細かいテクスチャが浮かび上がる(写真=右)
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/Mボディ背面から見て左下にスタイラスペンを収納できる(写真=左)。スタイラスペンは電磁誘導方式による1024段階の筆圧検知に対応したワコム製だ(写真=右)。全長は約115ミリとやや短いが、IPX2相当の防滴仕様(防水ではない)と、筆圧検知、そして本体にすっきり収納できる仕様がありがたい
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/M付属のACアダプタは、実測でのサイズが35(幅)×86(奥行き)×27(高さ)ミリ、電源ケーブル込みでの重量が約184グラムと小型軽量だ(写真=左)。その出力仕様は36ワット(12ボルト/3アンペア)となっている。充電は右側面のMicro USBからも行える(写真=右)。Micro USB経由での充電は遅く、安全のため満充電にならなくても連続10時間で停止する仕様だが、出先などで手軽にUSBから充電できるのはありがたい
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/Mボディは従来同様、防水(IPX5/7/8)と防じん(IP5X)に対応(写真=左)。水中で使っても平気なわけではないが、キッチンやプールサイド、運動場など、水滴や砂がかかったり、誤って水中に落としてしまう可能性がある場所でも安心して使える(写真=左)。タッチパネルは水滴で誤動作しがちだが、付属の防滴ペンを使えば、問題なく操作可能だ。さらに、除菌シートで表面をふいても問題ない耐薬品(エタノール、イソプロピルアルコール、次亜塩素酸ナトリウム)対応となった(写真=右)
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/M純正アクセサリで2種類のクレードルが選べる。充電端子のみが付いた「充電専用クレードル」(5250円/写真=左)のほか、3基のUSB 2.0(1基は側面に搭載)、HDMI出力、アナログRGB、有線LANを装備する「拡張クレードル」(8400円/写真=右)も用意している
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/M純正アクセサリでは、本体とドッキングさせてクラムシェル型ノートPCのように使える「スリムキーボード」(1万4800円)にも注目だ(写真=左)。装着時にタブレットの自重で後ろに倒れないよう、スリムキーボードは底面の一部をスライドして後方に引き出すことで安定して利用できる。今回入手した試作機では、設置面から155度程度までチルト角度の調整が可能だった。スリムキーボード試作機の実測重量は609グラム、本体に装着した場合の総重量は1.244キロとなる。ノートPCのように画面を閉じて保護したまま持ち運べるのは便利だ
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/Mスリムキーボードの正面(写真=左)と背面(写真=右)。アイソレーションキーボードと、左右クリックボタン一体型のタッチパッドを内蔵する。キーボードの配列はかなり自然で、カーソルキーを少し下げて配置するなど、打ちやすさに配慮している。キーピッチは約17.5ミリ(縦方向は実測16ミリ)、キーストロークは約1.7ミリ、タッチパッドのサイズは98(横)×55(縦)ミリだ
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/M左側面に用意されたショートカットボタンは、短く押すと各種設定を行う「ステータスパネルスイッチ」が起動する(画像=左)。また、長押しすると画面を静止画キャプチャし、任意のペイントソフトで自動的に開くことができる(画像=右)。これにより、表示中の画面を静止画として保存し、手書きメモを加えるといった操作が簡単に行える
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/MプリインストールOSは32ビット版のWindows 8.1を採用。スタート画面には、同社のクラウドサービス「My Cloud」や独自ユーティリティのタイルも並ぶ(画像=左/中央)。デスクトップ画面にも同社製PCらしく、さまざまなショートカットが配置されている(画像=右)
ARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/MARROWS Tab QH55/M評価機が搭載していたアプリ一覧。Office Home and Business 2013や電子辞書、スマホから写真や動画などを取り込む「F-LINK」など、独自アプリを多数備えている

富士通 ARROWS Tab Wi-Fi

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