ブロードコムは2013年12月5日、次世代のマルチコアプロセッサ・アーキテクチャに関する記者説明会を開催。同年10月15日(米国時間)に発表したARMベースの64ビットマルチコアプロセッサについて、米Broadcom プロセッサーズ&ワイヤレスインフラストラクチャ シニアディレクターのクリス・オライリー氏がその概要を語った。
同社が次世代のマルチコアプロセッサとして投入を計画しているARMベースの64ビットSoCは、命令セットアーキテクチャ「ARMv8」をベースにしたクアッドイシュー、クアッドスレッディング、アウト・オブ・オーダー実行機能を備えたカスタムプロセッサ。サーバや通信インフラ向けとなるもので、動作周波数3GHzを超える高性能スペックは、16nm FinFETの製造技術で実現するという。
接続デバイスやクラウドサービスの拡大にともない、全世界でネットワークトラフィックの増加が進んでいる。トラフィック増大の影響を回避するためには、より機動性と柔軟性に優れたネットワークに移行する必要性が出てきた。その中で注目されているのがNFV(Network Functions Virtualization:ネットワーク仮想化技術)だ。
今回の次世代マルチコアプロセッサは、このNFV向けに開発されているのが特徴。ARMと共同で、オープンかつ標準化されたNFVソフトウェア環境の定義と開発を行っているという。
サーバクラス性能のマルチコアプロセッサの有効市場についてオライリー氏は「そのマーケットは30億米ドル規模で、内訳はワイヤレスセグメントが6.8億米ドル、ネットワーキングセグメントが約12.6億、ストレージセグメントが約10.6億。4つ目のセキュリティ(2.7億米ドル)はまだ市場規模こそ小さいが成長率が一番高い」と、同市場の有望性を語る。
この成長市場には、サーバ向けではインテル/IBM/オラクル、通信向けではLSI社/CAVIUM/フリースケールなど競合ベンダーもひしめくが、オライリー氏は「ネットワーキングIPも含め3つの優位性を組み合わせているのはブロードコムだけ」と語り、クラス最高のマルチコア・プロセッサである点を強調する。
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