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AFはどれだけ快適か 着実な進化を遂げたミラーレスEOS「EOS M2」をチェック

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 キヤノンから発表されたミラーレスカメラ「EOS M2」は既存「EOS M」に通じるボディデザインを保ちながら本体を小型化し、新たにWi-Fiを搭載。さらにはAFを高速化するなど正常進化とも呼べるモデルとなっている。新製品のβ機で、高速化したAFを中心としたファーストインプレッションをお届けする。

photo「EOS M2」(β機)

 「EOS M2」のボディデザインはあえて変えなかったというだけあって、既存のEOS Mと非常によく似ている。両製品を見比べてみると、アクセサリーシューがブラックからシルバーに変更されているのが目立つ程度だ。

photophoto正面(写真=左)、背面(写真=右)
photophoto上面の撮影モードダイヤルが3ポジションから4ポジションに変更され、ステレオマイクの位置も上部から正面に変更されている
photoEOS M(写真=左)と並べて

 しかし、撮影モードダイヤルはEOS Mの3ポジション(「シーンインテリジェントオート」「静止画」「動画」)から、「シーンインテリジェントオート」「簡単撮影モード」「応用撮影モード」「動画」の4ポジションに変更されている。また、ボディ前面および背面のサブグリップの形状が変更され、ホールド時の安定性も高くなっている。

 搭載する撮像素子は位相差AF用センサーを搭載したAPS-Cサイズ(約22.3×14.9ミリ) 有効1800万画素のCMOSセンサーで、AFについてはコントラストAFと位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドCMOS AF II」(既存EOS Mは「ハイブリッド CMOS AF」)となっているほか、像面位相差の有効エリアがセンサー全体の80%まで拡大されている。

photoプログラムオート

 さて、既存のEOS Mに比べて「約2.3倍高速」(AF高速化ファームウェアアップデート前との比較)をうたうAFだが、確かに高速だ。AF高速化ファームウェアアップデート前のEOS MのAFはお世辞にも高速とは言えず、アップデート後でやっとそれなりという印象だったが、新製品のAFは快適に利用できる速さだと言っていい。

photo絞り優先オート F5.6 水に潜るカモ カメラ内トリミング機能で縦位置に

 もちろん、使用した機材はβ機であり、組み合わせたレンズは標準ズームの「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」のみ、試用時間もそう長くはないという注釈をつけねばならないが、少なくとも「AFが遅い」とストレスを感じる局面には出会わなかった。なお、「約2.3倍」となるのはレンズに「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」、AF方式に「ライブ多点」を選択した際とのことだが、レンズにEF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STMを装着したまま、AF方式に「顔認識+追尾優先」「ライブ1点」を選択しても大きな速度低下を感じることはなかった。

photo「くっきり鮮やかに」

 そのほかにも、撮影モードダイヤルのポジション追加を便利に感じることが多かった。既存EOS Mの撮影モードは「静止画」「動画」「シーンインテリジェントオート」の3つだけで、静止画撮影のプログラムオートや絞り優先、シャッタースピード優先などは「静止画」を選択した後にタッチパネルから操作するスタイルを採用していたが、静止画撮影については「簡単撮影モード」「応用撮影モード」の2つに分けられ、前者ではクリエイティブモードやシーンモード、後者からはP/A/S/Mの各モードを利用できる。

 つまり、新製品での静止画撮影で完全にカメラ任せにしたいときは「シーンインテリジェントオート」(既存EOS Mでは「静止画」)、「くっきり鮮やかに」などといったニュアンスを追加したり「ポートレート」などシーンモードを使いたいときは「簡単撮影モード」、絞り値やシャッタースピードを任意で設定してしたいときは「応用撮影モード」と使い分けが便利になった。こればよい変更点だと思える。

photoシーンインテリジェントオート
photo「くっきり鮮やかに」 背景ぼかし「中」
photo「しっとりと深みのある」 背景ぼかし「中」 露出補正 −2/3

 本稿にて使用した機材はβ機のために画質に関する評価は差し控えるが、撮影及び再生においての操作は軽快で、AFも含めてストレスなく利用することができた。ビューファインダーや可動式液晶、それにEOS 70Dで採用された新AFシステム「デュアルピクセルCMOS AF」の非搭載など、次世代機というには新鮮味に乏しいが、スマホカメラに物足りなさを感じ始めたステップアップ層や一眼レフに一度は離れた層を引き戻す存在としては着実な進歩を遂げていると言える。

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