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2013年冬のノートPCとタブレットはどう選ぶ?――実際に買った新製品はコレ

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 年末商戦たけなわの今、PC USER編集部から「いつもと趣向を変えて、バイヤーガイドでも……」とお題をいただき、今年取材などで触れてきたさまざまな製品を紹介していこうと思ったのだが、しかし、それではあまりに膨大な数になりすぎる。

 そもそも、「なぜAという製品は好みで、Bという製品ではダメなの?」という話になりがちだ。そこで今回は少しアプローチを変えて、各製品ジャンルごとの状況を整理し、筆者ならこういう選択基準で選ぶといった、「製品選びの考え方」について話を進めたい。

 製品名にも触れることは触れるが、製品を自分で選ぶためのヒント、参考といった捉え方で読み進めていただけると幸いだ。

Windows PC、選び方のポイントはタッチパネルと解像度

 仕事柄、道具として常に携帯するモバイルPCを利用しているため、どうしてもそちらに気持ちが向かう。というよりも、普及価格帯クラスのPCは、デザインやスペック、それに価格を見ながら「好きなものを買って下さい」という状況だと感じている。メーカーごとの個性が出てくるのは、作り手の目的意識がハッキリしている製品ジャンルだろう。ということで、まずはモバイルPCから話を始めよう。

ki_kira01.jpg東芝の「dynabook KIRA V832」。WindowsモバイルノートPCでRetinaディスプレイ級の高精細表示をいち早く実現した

 この半年、最も外に持ち出していたのは、実は東芝の「dynabook KIRA V832」だった。ちょっとオーバースペックという意見もあるかもしれないが、コイツが搭載するディスプレイは本当に美しい。筆者の場合、自宅や出張先ではアップルの「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」を利用し、出先では用途に応じてPCを使い分けている。

 「そんな、モバイル向けにはもっと軽いものじゃなきゃ」というかもしれないが、dynabook KIRA V832は15インチMacBook Pro Retinaが搭載する液晶ディスプレイと画素ピッチがほぼ同じだ(厳密にはKIRA V832が約221ppiと1ppiだけ高精細)。dynabook KIRA V832にMacTypeをインストールすると、さらに美しい文字で原稿を書けるため、コレが癖になってやめられなかったのである。そのためなら、多少大きなバッテリーを搭載することで重くなっても文句は言わない、というぐらいに。

 とはいえ、発売当初のdynabook KIRA V832には弱点が3つあった。1つは縦方向のキーピッチがやや詰まったキーボード(これはビジネスモバイルPCで採用例が多いパナソニックの「Let's note」シリーズなども同じなので、本機だけの問題ではない)、もう1つは最新の第4世代Coreプロセッサー(開発コード名:Haswell)ではないこと。最後にプリインストールOSがWindows 8で発売されたことだ。

 Windows 8は、dynabook KIRA V832が搭載したような高画素ピッチのディスプレイに対応し切れておらず、標準でインストールされるマイクロソフト謹製のアプリケーションですら、適切なサイズで文字を表示できなかった。Windows 8.1では、この点がかなり改善されている。

 まだ未発売の最新モデルである「dynabook KIRA V834」は、Windows 8.1をプリインストールしたことに加えて、CPUが第4世代Coreに進化し、HDMI出力が4Kに対応、高精細液晶パネルの継続によりバッテリーの面では不利にもかかわらず、駆動時間が約9.5時間から約14時間へと延びた。ということで、前モデルを使ってきた筆者も、最新モデルのdynabook KIRA V834はオススメだ。

 ただし、「14時間なんてバッテリー駆動時間のスペックはいらないよ……」という方もいるだろう。このシリーズは第3世代Coreプロセッサー(開発コード名:Ivy Bridge)用に企画されたもので、高精細ディスプレイとの組み合わせで大容量バッテリーの搭載を前提に設計されたためである。その副作用として、最新のCPUコア、最新の液晶パネルと組み合わせたときに長時間駆動が標準のモデルとなったわけだ。

si_nech-06.jpg2560×1440ドット表示のIGZO液晶パネルを搭載し、重量を約795グラムに抑えたNEC「LaVie Z(LZ550/NS)」。女性が2本指でつまんで持ててしまうほどの軽さだ

 もちろん、これはこれで大きな長所でもあるが、使い方によっては「省電力化されたぶん、軽量化に割り振った設計のPCが欲しい」という読者もいるはず。そこに加え、“Windows 8.1”という最新Windowsになったことで高解像度を使いこなせるようになったポイントも加えて考慮するなら、NECの新型「LaVie Z」に注目だろう。

 いくつかのバリーションが存在するが、シャープのIGZO液晶パネルを使った約795グラムの超高解像度ディスプレイを搭載する「LZ750/NS」は、軽さ、キーボードの操作性、ディスプレイの精細度などの面で圧倒的な立ち位置にある。Windows 8.1でデスクトップ画面からの起動もサポートされるなど、従来の“純クラムシェル型PC”での使いやすさが増していることも、この製品の価値を高めていると思う。

 しかし、Windows 8.1の特徴を生かしたモバイル系のノートPCという意味で、いま1番注目しているのはソニーの「VAIO Fit 13A」だ。上記のようにWindows 8.1はクラムシェル型のノートPCが使いやすくなったが、一方でタッチパネルに関しても使いたいときには使いたいもの。VAIO Fit 13Aのよさは、従来のユーザーが普通のノートPCとして使えるスタンダードな使い勝手を提供したうえで、タブレットとしての使いやすさも兼ね備えているからだ。

tm_1310fit13a_01.jpgソニーの「VAIO Tap 13A」。一見、普通のクラムシェル型ノートだが、天面に走る1本線を軸に、液晶ディスプレイをぐるりと180度回転できる

 こうしたコンバーチブル型の筐体は、ノートPCとして使うとき、あるいはタブレットとして使うとき、いずれかに何らかのエクスキューズがあったり、あるいは重量面で大きなペナルティがあるものだが、VAIO Fit 13Aにはそうした問題が少ない。また、タッチパネルだけでなく、筆圧対応のペン入力が行える点も見逃せない。

 VAIOにはトップエッジの製品が2つある。1つは軽量・薄型に特化した「VAIO Pro」シリーズ。もう1つはキーボードとタブレット、2つの利用形態に対応するコンバーチブル機構を、メカ設計の工夫と作り込みで実現している「VAIO Duo」シリーズだ。

 それらに比べ、VAIO Fit 13Aはよりスタンダードな作りや素材の選び方をしており、価格的にも(昨今の円安のため値頃感を感じないかもしれないが)手頃にまとめている。

 この製品に限らず、Windows 8がリリースされて1年、Windows 8.1も登場し、新しいWindowsの特徴をどう引き出そうとしているのか? という視点で製品を眺めてみるといいと思う。

tm_1310fit13a_25.jpgtm_1310fit13a_22.jpgtm_1310fit13a_23.jpgVAIO Tap 13Aの変形機構。天板が2つに折れ曲がって、液晶ディスプレイ部だけが180度回転する(写真=左)。画面を反転させると、対面する相手に表示を見せたり、映像コンテンツを視聴したりするのに適した「ビューモード」に切り替わる(写真=中央)。ビューモードの状態で画面を倒せば、タブレットのようなスタイルでタッチ操作や写真撮影、ペン入力が行える「タブレットモード」に切り替わる(写真=右)
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