楽天子会社のKoboは11月26日、都内で発表会を開催。同社が海外で販売しているタブレット製品から、7インチのAndroidタブレット「Kobo Arc 7HD」を12月下旬から国内発売すると発表した。購入特典として、楽天市場でのショッピングが1年間ポイント2倍になるキャンペーンを実施、電子書籍専用端末だけでなく、タブレットでの市場拡大も狙う。
Kobo Arc 7HDは、Koboが8月に「Kobo Arc 10HD」「Kobo Arc 7」「Kobo Aura」とともに発表したもの(関連記事参照)。7インチ(1920×1200ピクセル、323ppi)のディスプレイを搭載し、重さは341グラム。microUSB、microHDMI、3.5ミリステレオヘッドフォンジャックなどを備える。16G/32Gバイトモデルが用意され、価格は16Gバイトモデルが2万2800円、32Gバイトモデルが27800円。
競合製品となるNexus 7と比べると、画面解像度やストレージに差はないが、CPU(Nvidia Tegra 3クアッドコア 1.7GHz)やメモリ(1Gバイト)、130万画素のフロントカメラなど、後塵を拝する部分もある。また、LTEモデルは用意されていない。ただし、価格は同じストレージタイプならNexus 7と比べ、5000円安価に設定されている。
Kindle Fireシリーズと比べたときは、“汎用タブレット”であることが大きな差異。Kindle Fire HDXと比べると、こちらもCPUや本体重量などで後れを取るが、Kindle Fireのように専用アプリストアではなく、Google Playを利用できるのが目立った違いとなる。なお、Kobo Arc 7HDはOSにAndroid 4.2.2を搭載、ブラウザはFirefoxもプリインストールされている。
なお、Kobo Arc 7HDのローエンドモデルに当たるKobo Arc 7も発売時期は未定だが、1万4800円程度で販売予定だという。10インチモデルのKobo Arc 10HD、およびKobo Aura HDの国内発売は予定していないという。
楽天 執行役員 パッケージメディア事業・イーブックジャパン事業 担当役員の舟木徹氏は「まだまだ電子書籍は導入期」としながらも、直近の簡単な総括として、ユーザー数は2012年末時点の3倍に、コンテンツラインアップは18万冊を突破、販売額も2012年末と比べて4倍になっていると明かし、娯楽作品を中心としたエンタメ領域をより強化していきたいとした。また、端末の販売数もKobo Gloを中心に販売台数を伸ばしており、オフラインチャンネル展開としてレベニューシェアモデルで進めている書店や量販店での販売についても「モデルが確立されてきた」と自信をのぞかせる。
タブレット製品の国内投入に当たり、サービスを拡充。すでに発表された楽天ブックスとの融合強化のほか、PCビューワの提供(2014年Q1予定)、Androidアプリでの購買を用意にする「Quick Buy」機能の実装(11月28日)などを紹介。今後は雑誌コンテンツの充実や個人出版サービスの提供、リアル書店でのコンテンツ決済を可能にすることなども検討中であるという。
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