月間10万件もの問い合わせ
一般消費者からビジネスマン、アプリケーション開発者、企業の情報システム担当者に至るまで、幅広いユーザー層に対して数多くの製品・サービスを提供している日本マイクロソフト。そうしたユーザーを陰で支えているのが、同社のカスタマーサポート部門だ。
現在、日本マイクロソフトにおけるカスタマーサポートの体制は、社員数百人と、アウトソーシング先のパートナー企業から成る。拠点は東京に2カ所(調布、品川)と大阪に1カ所で、電話やメール、チャットなどによる問い合わせ件数は月間10万件に上る。
問い合わせ件数の多さも然ることながら、その内容も多岐にわたることは容易に想像できるだろう。加えて、同社では製品の購入前、購入後のいずれの問い合わせにも対応しているため、例えば、発売前の製品について想定もしないような問い合わせが来ることもよくあるのだという。実に高いスキルレベルがサポートには求められるのだ。
ただし、こうした問い合わせに対して人手を介すのはあくまで最終段階。サポートが必要な諸問題や各種インシデントの大部分をオンラインで解決してしまおうとするのが、同社のカスタマーサポートにおけるアプローチである。例えば、ユーザーが製品情報を知ろうとした場合、まずはオンラインヘルプを参照する。このコンテンツはサポートチームが作成しており、テキストに加え、イラストや漫画などを多用することで、特にITに詳しくないコンシューマーでも理解しやすくしている。
オンラインヘルプで解決できない場合、次に用意するのがコミュニティーである。コミュニティーは一般消費者向け、開発者向け、システム運用管理者向けなど対象別に分かれており、MVP(Most Valuable Professional)がボランティアでユーザーのサポートを行っているのが特徴である。
こちらでも解決できないとき、初めてエンジニアによるメール、電話、チャットという直接的なサポートが行われる。そしてリモートでも解決が難しい場合、最終的にはエンジニアが現場に足を運び、オンサイトで支援を行うのである。「いかに素早く簡単にユーザーに情報提供できるかを重視しているため、できるだけファネルの前段階で解決できるようにしたい。どうしても人手が必要となった際には、高いスキルを持つエンジニアが責任を持って対応するようにしている」と日本マイクロソフト 執行役 カスタマーサービスアンドサポート ゼネラルマネジャーの佐々木順子氏は説明する。
こうしたカスタマーサポート活動に関して、同社が掲げるミッションとは何か。佐々木氏によると、サポートを通じて顧客がマイクロソフトの一生のファンになってもらうことだという。そのためには、単に1つ1つの問題を解決して関係が終わりというわけではなく、顧客のニーズを把握し、問題が起きないように事前にアドバイスを送ったり、より効果的な製品やサービスの活用方法を提案したりすることが重要だとする。加えて、日本ではサポートチーム全体で顧客に優れたサービスを提供することを心掛けている。これらの取り組みが顧客の継続的なサポートにつながっていくのだという。
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