テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)は8月29日、SACDプレーヤーと単体DACの新製品を発表した。TADの技術を継承しつつ、“比較的”リーズナブルな価格設定となる「Evolutionシリーズ」の新製品。「今までTADの製品にあこがれていた30〜40代の方がメインターゲット。こうしたハイエンド予備軍に対し、“いつか欲しい”と思ってもらえる製品を企画した」(同社)。価格は、ディスクプレーヤーの「TAD-D1000」が157万5000円、据え置き型DACの「TAD-DA1000」は126万円。
両モデル共通の特長として、まず新たに開発した超高C/NマスタークロックUPCG(Ultra high Precision Crystal Generator)がある。高速デジタル通信基地局で使用される高C/N(Carrier to Noise ratio:搬送波対雑音比)化技術手法をベースに、物理特性の追求と試聴を繰り返して開発したというもの。高純度のマスタークロックを生成することで、「ディスクに記録された信号や入力信号の再現性を高める。また常温での高精度発振により、クイックスタートと長寿命も実現した」(同社)という。
同じく両モデル共通のUSB-DAC機能は、最大384kHz/32bitのPCMデータおよび5.6MHzのDSDデータをサポート。DAC回路には、バーブラウン(TI)製の「PCM1794」を左右独立で配置し、並列接続したバランス型D/Aコンバーター回路を構成。また、残留ノイズと高スルーレートを両立させる独自のディスクリート?変換回路を採用した。
USBのほか、4系統のデジタル入力(XLR、同軸×2、光)を装備。USB Audio Class 2.0に対応したUSB端子には、独自に開発したアシンクロナスUSB伝送エンジンを搭載しており、PCからのデジタル信号の伝送状態を本機で制御する。受信したデジタル信号は純度の高いクロックで読み出すため、ジッターから解放された極めて精度の高いデジタル信号になるという。
ディスクプレーヤー「TAD-D1000」には、上位機ゆずりのCDメカを搭載。アルミ削りだし加工によるディスクトレイ部は、低振動/高剛性を徹底的に突き詰めた。
一方、単体DACの「TAD-DA1000」だけが持つ機能として、ボリュームが挙げられる。これにより、パワーアンプとダイレクトに接続してシンプルな高音質システムが構築できる。「PCデータ派に新しいハイエンドの楽しみ方を提案したい」(同社)。さらに独立したボリュームを持つディスクリート構成のヘッドフォンアンプも搭載し、ヘッドフォンやイヤフォンで聴くケースにも対応する。ヘッドフォンアンプは8オームから600オームまで幅広くサポートする。
アルミニウム製のシャーシは、厚さが8ミリもある重量級。さらに重量のあるパーツを下底部に配置した低重心構造により制振設計を徹底。電源トランスの取り付けに厚肉の真ちゅう製ベースを使用するなど、電源トランスの振動にも配慮した設計となっている。
本体サイズは、両モデルとも440(幅)×150(高さ)×406(奥行き)ミリ。重量はプレーヤーが18.5キログラム、単体DACは16.5キログラムとなっている。
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