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2013年後半に相次いで開始予定の「100Mbps超」新サービスをおさらい

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2013年後半、「100Mbps以上」のさらに高速なサービスが相次いで開始予定

 2013年7月26日、2.5GHz帯BWA(Broadband Wireless Access:データ通信向けの広帯域移動無線システム)の追加割当がUQコミュニケーションズに決定。これを受け、UQ社はこの追加周波数帯を用いた新サービス「WiMAX 2+」を2013年10月に開始することが発表された。まずは下り最大110Mbpsから、2017年には1Gbps超の高速サービスが提供される予定である。

 一方、NTTドコモも下り最大150Mbpsに速度を上げたLTEサービスを2013年10月に開始する計画だ。LTEサービスはLTE対応スマートフォンの普及とともにユーザーにもかなり身近なものとして浸透してきつつあるが「さらに高速・快適」とうたう高速通信サービスの足音も聞こえてきた。

「2.5GHz帯BWAの追加割当」を改めておさらい

photo柴山昌彦総務副大臣(左)から認定書を受領するUQコミュニケーションズの野坂章雄社長

 現在WiMAXサービスを展開するUQコミュニケーションズが獲得した2.5GHz帯BWAの追加割当分は、2009年3月末に事業を終え、停波した移動体向けマルチメディア放送「モバHO!」サービスの跡地。2013年8月現在、2.5GHz帯ではUQコミュニケーションズ(WiMAX)とWireless City Plannning(AXGP/Softbank 4G)がサービスを展開しており、追加割り当て分の計20MHz幅をUQコミュニケーションズ(KDDI系)とWireless City Planning(ソフトバンクモバイル系)の2社が申請。審査の結果20MHz幅すべてがUQ社に割り当てられることになり、合計50MHz幅(現30MHz幅+追加の20MHz幅)でサービスを展開できることになった。

 これを受けてUQコミュニケーションズは、WiMAX 2+のサービスを2013年10月より開始することを発表。当初は現WiMAXサービスと互換性を持たせた併用運用を行うため新20MHz幅を用いた下り最大110Mbpsのサービスより開始し、WiMAX 2+への移行状況に応じて2015年9月に40MHz幅のキャリアアグリゲーションと4×4 MIMO、2018年4月に全50MHz幅のキャリアアグリゲーション+8+8 MIMOの1Gbps超を見込むサービスへと発展させる計画とする。

 2013年10月に開始される「WiMAX 2+」サービスは、既存のWiMAXサービスエリアにWiMAX 2+エリアを重ねる方式──既存WiMAX基地局に、WiMAXとWiMAX 2+の両方に対応した基地局設備のみを置き換える作業で推進していく。基地局設備の置き換え作業は必要だが、基地局設置で特に大きな課題になる用地・場所の確保を一から行う必要がなく、基地局以外にも現WiMAXとWiMAX 2+の双方に対応したハイブリッド型端末を提供する計画のため、新規高速通信サービスの立ち上げ初期によくある「当初はエリアが狭く、使い物にならない」心配があまりない──とする点が心強い。


photophotoWiMAX 2+の利用周波数帯と高速化のロードマップ

 WiMAX 2+のサービス詳細──例えば料金プランや対応端末の仕様などについては2013年8月現在、まだ未定だが、サービス開始はもうすぐそこの10月末。そう遠くないうちに対応機種やサービスの詳細が明らかになることに期待したい。

 一方、今回の追加周波数割当については、ソフトバンク傘下のWireless City Planning株式会社(以下、WCP)も10MHz幅の割当を申請していたが、WCPへの割当はかなわなかった。

 割当が正式発表されたのは2013年7月26日だが、正式発表の前日に、UQコミュニケーションズに20MHzの割当が行われる方針であることが報道され、ソフトバンク代表取締役社長 兼 Wireless City Planning代表取締役社長の孫正義氏とソフトバンクモバイル取締役専務執行役員の宮川潤一氏が総務省に審議延期を激しく要望。明け26日にはその通りの割当が発表され、同社は26日に総務省に対して不服申し入れ、及び情報公開請求を実施。周波数割当の結果だけでなく、プロセスについても不満があると述べており、総務省に対して行政訴訟を検討する──などともと発言している。

 ソフトバンクは現携帯電話事業に参入する以前の2004年に、800MHz帯の電波の割当に際してソフトバンクBBより行政訴訟を起こしたが、同周波数帯をNTTドコモとKDDIに割り当てる総務省の方針が決定したことを受けて行政訴訟を取り下げた経緯がある。今回も、行政訴訟を実際に起こす見込みは低いと想定されるが現時点その決定は明らかになっていない。

 その後、ソフトバンクはVodafone日本法人を買収し携帯電話事業者となったのち、民主党政権下の事業仕分けで検討された、周波数割当時に利用免許を競売にかけ、最も高い金額で入札した事業者に割当する「周波数オークション」方式の導入について言及したこともあった。オークション方式は法改正などに時間がかかる。業界・事業者としては早期に新たな電波が必要となっているという理由で、周波数オークションについては先送りすべきと総務省に早期導入反対の要望を伝えた。のちに同社が獲得し、プラチナバンドとピーアールする「900MHz帯」は今回と同じく「比較審査方式」において周波数が割当られたが、さらに同じく正式発表前に同グループに対して周波数帯が割当られる方針である旨が報道されていた。

 周波数の割当について「比較審査方式」および「電波オークション方式」のどちらが優れているとは一概には言い難い。ただ、国民の限りある共有資産である周波数はどの事業者もほしいのは一緒。より明確な基準で割当を行う時期なのかもしれない。

NTTドコモが最大150MbpsのLTEサービスを10月に開始、一部で試験運用も

photoドコモは最大150MbpsのLTEサービスを2013年10月に始める予定。2013年7月には神奈川県の一部地区で試験運用が開始された

 NTTドコモが7月26日、従来より「2013年度中に開始する」としていたXiの下り最大150Mbps対応サービスを、2013年10月より東名阪の一部エリアより提供することを発表した。

 同社は2013年8月現在、すでに下り最大112.5Mbpsのエリアを順次拡大しているが、利用者が多い(かつ、サービス開始初期よりエリア化が優先して進められた)東名阪エリアでは、使用可能な電波帯域の都合から最大37.5Mbps(あるいは一部屋内での75Mbps)程度にとどまっていた。それがいよいよ刷新される──という感じであり、同大都市部エリアでの112.5Mbpsサービスはこれまで2013年度中(2014年3月末)と告知されていたため、対応が早まるのは同エリアのユーザーは喜ばしい施策と言える。

 なお下り最大150Mbpsのサービスは、これまでFOMA(3Gサービス)で用いていた1.7GHz帯の20MHz幅を使って実現される。


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