フィンランドのNokiaが9月に大画面の新しいモバイル端末を発表する計画であることが、情報筋により明らかになった。Nokiaは「Lumia」シリーズのスマートフォンのラインナップを強化し、人気上昇中の「ファブレット」市場を牽引するライバルの韓国Samsung Electronicsに追撃を図る構えという。
この件に詳しい情報筋によると、Nokiaは複数の新機種を開発しており、9月下旬にニューヨークで開催するイベントで発表する計画という。
仕様や価格などの詳細については語られなかったが、新機種にはファブレットが含まれるという。ファブレットとは、5インチ以上の大きめの画面を持つスマートフォンのことだ。IT系のブログでは、Nokiaがタブレットの投入を計画しているとも報じられている。
Nokiaに問い合わせたが、すぐには返答を得られなかった。
Nokiaはスマートフォン市場でSamsungとAppleに後塵を拝しており、ここ1年は売り上げの落ち込みを食い止めるべく、新製品の投入ペースを加速させている。
ファブレットには当初、「中途半端なサイズで使いづらい」との批判もあったが、Samsungがその市場を開拓し先導している。タブレットの売り上げでは、Appleがトップだ。
アナリストによると、スマートフォンで動画や写真を見るユーザーが増えていることから、今後は大画面に対する需要はさらに高まる見通しという。
NokiaのLumiaシリーズに追加される最新の機種はファブレットとなるようだ。LumiaシリーズはMicrosoftのモバイルOS「Windows Phone」を採用している。
Nokiaは7月には、41メガピクセルのカメラを搭載した「Lumia 1020」を発表している。ソーシャルメディアや動画サービスをスマートフォンで利用したいと考えるユーザーが増えていることから、スマートフォン市場でのシェア獲得は長期的に見て特に重要とみられている。
だが、一部のアナリストからは、Nokiaの最近の取り組みが業績回復につながるかを疑問視する声も上がっている。
NokiaはWindows Phone搭載のスマートフォンに社運を賭けているが、スマートフォン市場におけるWindowsのシェアはまだ3%にすぎず、Googleの「Android OS」とAppleの「iOS」が合わせて90%以上のシェアを誇っている。
Nokiaが2013年4〜6月期に出荷したLumiaスマートフォンは740万台と、1〜3月期より32%増加したが、Bernstein Researchのアナリスト、ピエール・フェラグ氏によれば、この出荷増は安価な機種によるところが大半という。
フェラグ氏は「Lumia 925」「Lumia 928」「Lumia 1020」といったハイエンドモデルに注力するNokiaの方針を疑問視し、「2013年7〜9月期は不振に終わる」と予想する。
「危険な賭けだ。ハイエンドスマートフォンは全体的に鈍化しており、競争も厳しい。その上、ハイエンド市場でのWindows Phoneのけん引力は限られている。Nokiaの7〜9月期は悲惨なものになりそうだ」と同氏は8月20日の調査ノートで語っている。
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