シマンテックは12月16日、日本を狙ったランサムウェア(身代金要求ウイルス)の「TorLocker」亜種の感染が拡大しているとして注意を呼び掛けた。マルウェアは日本のユーザーを狙って設計されたものだとみられている。
同社によるとTorLockerの亜種は、特定の拡張子を持つファイルを暗号化し、ユーザーに「ファイルの復号には金銭が必要」と脅して、4万円から30万円を支払うよう要求する。
攻撃では犯罪者が改ざんしたWebサイトを通じてマルウェアを拡散させたり、コンピュータの脆弱性を突いて侵入したりするケースがある。同社が11月下旬に確認した攻撃は、改ざんされたブログサイトを通じてユーザーに偽のFlash Playerのインストーラページを表示させる。ユーザーがインストールボタンをクリックしてしまうと、設定ファイルがダウンロードされて実行するよう求められる。だが、このファイルのアイコンは正規のFlash Playerと異なり、デジタル署名も付与されていないという。
11月時点でTorLockerの攻撃を受けた国は米国が最も多く、日本も2番目に多い状況となっている。同社ではコンピュータを最新の状態にして脆弱性を解消することや、全てのファイルをバックアップしておくことなどを対策に挙げ、「ランサムウェアの要求には決して従ってはいけない」と注意喚起している。
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