杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)
1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP。
2014年の私のおすすめ鉄道旅は、「四国と東北」だった(関連記事)。
東北の期待要素は「三陸鉄道全線開業(4月)」「SL銀河運行開始(4月)」であった。2013年にはレストラン列車「TOHOKU EMOTION(東北エモーション)」が話題となって下地を作っていた。結果として三陸鉄道が21年ぶり上半期黒字、通年でも2年ぶり黒字となった(関連記事)。もちろん、2013年に放送されて大ヒットとなったNHKの朝ドラ「あまちゃん」効果も残っていただろうけれど、良いニュースがたびたび報じられた。
それに比べると、四国はいまひとつ盛り上がらなかったように思う。四国の期待要素は新しい観光列車「伊予灘ものがたり」と、日本一遅い新幹線「鉄道ホビートレイン」、新型特急列車8600系だ。ドラマのタイアップはなかったけれど、日本最古の歴史を持つ周遊旅「四国八十八カ所霊場開創1200年」があった。これは2013年の伊勢神宮の式年遷宮、出雲大社の平成の大遷宮に続くパワースポット巡礼で、大きな旅行需要喚起となりそうだった。どれも魅力的だけど、12月を迎えて、私の見聞きする範囲では話題にならなかった。
私の予測は甘かっただろうか。なんとなく悔しいし、流行るといった手前、自分で行かないとは面目ない。そこで11月下旬、JR四国を旅してみた。自腹である。お金を払った客として率直に書かせていただく(嫌な客だなあ)。
関連記事
- 2014年、注目の列車旅は? 四国・東北、そして
2014年の鉄道業界は追い風と向かい風が交互に吹きそうだ。観光列車ブームの継続は追い風、消費税アップに伴う運賃値上げが向かい風。新幹線のサービスアップは追い風、LCCの国内路線増は向かい風だろうか。今年も昨年に劣らず面白くなりそうだ。 - 第32鉄 ハッピーバースデイ! だから四国へ行こう
「子どもじゃないし、もう誕生日なんかうれしくないや」——いやいや、大人だって誕生日にはイイコトいっぱい。今回は、1万円ポッキリでJR四国が3日間乗り放題になる「バースデイきっぷ」で、四国を一周する旅をご紹介する。 - 自治体首長選挙公約に変化あり! 「鉄道存廃」から「活性化」へ
衆議院解散と総選挙が決まり国政がざわつき始めた。それよりひと足早く、11月16日に各地で自治体首長選挙が行われた。このうち5つの選挙の当選者が鉄道の活性化を公約に掲げている。自治体にとって鉄道の価値が高まっているかもしれない。 - 「ななつ星in九州」に見る、乗客をつくるビジネス
鉄道会社が観光列車開発に力を入れ始めた。日本に新たな旅の文化が生まれたと言っていい。こうした「鉄道で遊ぶビジネス」は、鉄道会社が苦手としていたが、他の業界では当たり前のことだった。
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Facebookコメント