日本雑誌協会と日本書籍出版協会は12月10日、同日施行された特定秘密保護法に反対する声明を発表した。「正当な取材行為も妨げられ、国民が知るべき公の情報を得ることはより困難になる」と懸念し、同法の廃止を訴えていくという。
特定秘密保護法は、安全保障に関する情報を政府が「特定秘密」に指定し、漏えいした公務員らに最高10年の懲役刑を科す法律で、昨年12月に成立した。
雑誌協会は「情報を秘匿する傾向にあった行政機関はさらにその傾向を強め、正当な取材行為も妨げられ、国民が知るべき公の情報を得ることはより困難になる」と指摘。自由に発言しにくい空気が、行政や取材関係者、一般の人々にまで広がっていくことを懸念する。
両協会は今後、同法が暴走しないよう、同法の運用や政府の動きを監視するほか、あくまで同法の廃止を訴えていくという。
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