ディスプレイ広告のインプレッションの56.1%は画面上に表示されない──。米Googleは12月6日(現地時間)、このような調査結果を発表した。
画面上に表示されないというのは、「Viewable Impression」になっていないという意味だ。
Viewable Impressionとは、視聴率調査の監視などを行っている非営利団体Media Rating Council(MRC)と 米ネット広告団体Interactive Advertising Bureau(IAB)による定義で、「広告の50%以上の面積が画面に1秒以上露出」するインプレッションを意味する。GoogleはViewable Impressionを持つ広告を「Active View」広告と呼ぶ。
この調査は、DoubleClickとGoogle Display Networkのディスプレイ広告(デスクトップおよびモバイル)の、2014年7月と10月のデータに基づくもので、アプリ内広告と動画広告は含まれない。
調査の結果、以下のようなことが分かったという。
- 全インプレッションの56.1%はViewable Impressionになっていない
- Viewable Impressionが最も多いページの位置はファーストビュー(スクロールせずに表示できる部分。米国では「above the fold」と呼ぶ)の右下(右上ではなく)
- 縦長(バーティカル)広告の方が横長(ホリゾンタル)よりViewable。例えばポピュラーな300×250(横×縦)サイズは41.0%のところ、120×240の縦長バナーは55.6%だった(下図1参照)
- 掲載するWebサイトのジャンルによっても異なる(下図2参照)
Googleは、広告業界の関心がServed Impression(広告が掲載されたかどうか)からViewable Impressionにシフトしつつあることを受け、広告主に効果的な出広の参考になる情報を提供する目的でこの調査を行ったという。
同社はWebパブリッシャーに対しては、効果的な広告のサイズとスペースを提供するようアドバイスしている。
関連記事
- Google、Webサイトへの“投げ銭”/広告非表示ツール「Contributor」
Contributor(貢献者)になったユーザーは、応援したいWebサイトに毎月1〜3ドル寄付することで、そのサイトを広告なしで閲覧できるようになる。 - 米Yahoo!、上場したAlibaba株売却で大幅増益 モバイル広告も好調
米Yahoo!の7〜9月期決算は、保有していたAlibaba株を同社上場で売却したことにより、純利益が前年同期の約23倍の67億7600万ドルとなった。そうした特別項目を除いても、アナリスト予測を上回る増収増益だった。 - Google決算、5%減益だがクリック単価の落ち込みには歯止め
Googleの7〜9月期決算は、広告販売の伸び鈍化やデータセンター建設コスト増大などによりアナリスト予測を下回る増収減益だった。モバイル普及で下落が続くクリック単価は2%減と落ち込みに歯止めが掛かった。
関連リンク
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.