ドワンゴは12月5日、ニコニコ動画に投稿された動画の音声部分のみをダウンロードできる公式ツール「NicoSound」を12月17日に終了すると発表した。
動画投稿者が許可した作品に限り、無料で音声部分のみをダウンロード(AAC形式)できるサービスとして2012年4月にスタート。日本音楽著作権協会(JASRAC)管理楽曲についてはダウンロード数をJASRACに報告し、JASRACはこれを加味して利用料を権利者に分配することになっていた。
niconicoは利用規約で「明示的にダウンロードが許諾されている場合」を除いて動画データをダウンロードできないとしていたが、公開コンテンツを利用する形で外部の「寄生型サイト」による違法行為も顕在化。大手サービスだった「にこ☆さうんど」は今年2月閉鎖され、運営者は著作権法違反(公衆送信権・送信可能化権の侵害)の疑いで有罪判決を受けた。
同社はサービス終了について「当初の想定より利用数、ダウンロード数ともに少なかったため」と説明。「にこ☆さうんど」の閉鎖や運営者の逮捕は「無関係」としている。
動画投稿者に収益を還元する仕組みの1つとして運営していたが、今後は動画の人気度に応じて収益が得られる「クリエイター奨励プログラム」に一本化していければとしている。
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