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安いけど“格安スマホ”ではない――「付加価値の高い製品」で日本市場を攻めるHuawei

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 ファーウェイ・ジャパンが12月4日に新製品発表会を開催。12月12日に発売するSIMロックフリースマートフォン「Ascend Mate7」と「Ascend G620S」を、あらためてアピールした。

Huaweiの「Ascend Mate7」「Ascend G620S」、12月12日に発売

photophoto「Ascend Mate7」
photophoto「Ascend G620S」

 日韓リージョンプレジデント 兼 ファーウェイ・ジャパン副社長の呉波(ゴ・ハ)氏は「SIMロックフリー製品は、2015年の市場を左右する台風の目として、さらなる拡大が期待される。Huaweiは市場の急速な変化をとらえて日本市場をリードし、LTE対応SIMロックフリーのラインアップをいち早く拡充していきたい」と意気込みを話した。

photoファーウェイ・ジャパン副社長の呉波氏

 呉氏が「これまでSIMロックフリーの製品展開は、たくさんのパートナー様に支えられてきた」と話すように、ファーウェイ・ジャパンはMVNO、量販店、オンラインショップなどのパートナーと提携し、スマートフォンとSIMカードのセット販売や、店頭での販売を行ってきた。4日のイベントはプレスとブロガーのほか、こうしたパートナー企業も招待し、多くの関係者が参加。呉氏が後述するU-NEXT二宮氏とジャパンディスプレイ境田氏と一緒にカウントダウンをしながらAscend Mate7とAscend G620Sを披露するなど、こうしたパートナー企業を大切にする姿勢を見せた。

photophotoAscend Mate7とAscend G620Sをあらためて“発表”した

 「U-mobile」でSIMカードとAscend G6をセット販売しているU-NEXTからは、取締役通信事業担当の二宮康真氏がコメント。「U-mobileでは8月から音声サービスを始めて、Ascend G6をセットで販売したところ、(販売数が)大きく伸びたので、Ascend Mate7にもかなり期待している。ハイエンドのAscend Mate7と『LTE使い放題』を組み合わせると、MNOよりもメリットの高いサービスを実現できるのでは」と期待を寄せた。U-NEXTとしては、LTE使い放題とAscend Mate7とのセット販売を推進していくとした。

photoU-NEXT 取締役通信事業担当 二宮康真氏

 Ascend Mate7のディスプレイには、ジャパンディスプレイ製の「IPS-NEO」方式を採用している。IPS-NEOでは、従来のIPSから視野角がさらに広くなり、深い黒と自然な発色を出せるようにした。ジャパンディスプレイ 執行役員 チーフビジネスオフィサーの境田秀也氏は「Ascend Mate7は6型だが、狭額縁設計により、全体のサイズを小さくまとめている。さらに、(ガラスとディスプレイの間に空気層のない)インセルタッチの技術と、薄いバックライトを採用しており、モジュール全体のサイズもかなり薄い」とAscend Mate7のディスプレイの特徴を説明した。

photoジャパンディスプレイ 執行役員 チーフビジネスオフィサー 堺田秀也氏

 「Huaweiのハイエンド製品のほとんどに、我々のディスプレイを使っていただいている。優れた製品設計とデザイン性、最先端技術のディスプレイが相まって、素晴らしいスマートフォンができあがっていると思う。私どもの製品がHuaweiの成功に少しはお役に立てているのかなと思っている。Ascend Mate7は中国では発売されていて、数カ月前から量産に入っている。中国では増産の要望が上がっているので、全力でサポートしている」と、Ascend Mate7の好調ぶりも付け加えた。

photoIPS-NEOの特徴

 ファーウェイ・ジャパン 端末統括本部 プロダクトセンター 商品企画部長の吉本晃氏は、「HuaweiのSIMロックフリー製品は“格安スマホ”ではない」と強調する。Huaweiは2007年に日本市場に参入し、携帯電話やモバイルWi-Fiルーターなど、さまざまな通信機器をキャリアに納入してきた。その数は「7年間で70種類以上」(吉本氏)に及ぶ。世界的にも厳しいとされている「日本の品質基準も熟知している」ほか、インフラを手がける同社はネットワーク特性にも造詣が深い。安かろう悪かろうではない、付加価値の高いスマートフォンを開発していると同社は自負する。

photoファーウェイ・ジャパン 端末統括本部 プロダクトセンター 商品企画部長 吉本晃氏
photoHuaweiのブランド力も徐々に向上している。サッカークラブのスポンサーになっていることも、その取り組みの一環だ

 総務省の「モバイル創生プラン」では、2016年におけるSIMロックフリースマートフォンの契約数を、2013年(670万台)の2倍以上となる1500万台まで拡大することが目標とされている。こうした動きはHuaweiにとっては追い風だ。「MVNO様、家電量販店様、販売代理店様たちと堅いパートナーシップを結び、SIMロックフリー市場をしっかりと築きたい」と吉本氏は意気込んだ。

photophoto日本ではすでに70製品上の通信キャリアに納入し、2014年6月からはSIMロックフリー製品を投入している(写真=左)。付加価値の高いLTEモデルの製品を展開する(写真=右)
photophotoSIMロックフリー市場は、さらに拡大が見込まれる(写真=左)。パートナーシップも強固にしていく(写真=右)
photophotoAscend Mate7はプレミアムモデル、Ascend G620Sはミドルレンジモデルという位置づけ(写真=左)。日本市場でのポートフォリオ(写真=右)
photophotoAscend Mate7の特徴(写真=左)とAscend G620Sの特徴(写真=右)
photo同じサイズのiPhone 6 Plus、Nexus 6(とおぼしきモデル)と比較
photo発表会にはモーニング娘。OGの保田圭さん、石川梨華さん、吉澤ひとみさん、小川麻琴さんが応援に駆け付けて華を添えた。「恋のダンスサイト」「LOVEマシーン」「恋愛レボリューション21」のライブも披露してくれた

 4日の発表で驚かされたのは、Ascend Mate7の価格だ。Ascend Mate7は中国では4000元で販売されており、日本円にすると7万7932円。それが日本では4万9800円(税別)とは、6型フルHDディスプレイ、13MPカメラ、4100mAhバッテリー、オクタコアCPU、指紋センサーなどの高いスペックを考えるとお買い得だろう。それだけHuaweiが日本市場に注力していこうという姿勢がうかがえる。

 同じく6型のディスプレイを備えるGoogleの「Nexus 6」は、32Gバイトモデルが6万9600円(税別)。Ascend Mate7はストレージが16Gバイトなので単純には比較できないが、約2万円の差は大きい。16Gバイトモデルが8万7800円(税別)のiPhone 6 Plusと比べても、その安さが際立つ。Ascend Mate7は、この冬商戦の台風の目になりそうだ。

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