この連載では、データドリブンマーケティングとマーケティングリサーチの接点をめぐる基本的な事柄と論点を取り上げてきた。データドリブンマーケティングとマーケティングリサーチは、それぞれ広い意味で解釈できる言葉であり、データドリブンを「経験や勘に頼るのではなく、データに基づいた……」と考えると、マーケティングリサーチが前世紀から言ってきたことと違いがなくなってしまう。
ここでは、データドリブンマーケティングやマーケティングリサーチの「本質」はひとまず措いて、次のように「各領域に主に携わっている人とその活動」として大雑把に両者をイメージし、本文中では便宜的に前者を<DD>、後者を<MR>と呼ぶことにする。
- ドメイン1:<DD>(「データドリブンマーケティング」の領域)
- Webマーケティング、アドテクノロジー、ビッグデータ解析などに関わる事業者や、メーカーなどのデジタル/Webマーケィング担当が着手しはじめた、主にオンライン上の行動データをベースにしたマーケティング活動
- ドメイン2:<MR>(「マーケティングリサーチ」の領域)
- マーケティングリサーチ会社、メーカー等の市場調査担当や総合広告代理店のリサーチャーがこれまで携わってきたデータ/インサイトの収集や分析ビジネス
連載最終回の本稿では、以前の回でも少し触れた「シングルソースデータ」についてご紹介したのち、連載各回の議論を、「データドリブンマーケティング」(DD)とマーケティングリサーチ(MR)の関わりという観点から再度整理してまとめとしたい。
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