2013年11月13日のサービス開始から1周年を迎えた「freebit mobile」。通信費と端末代を合わせて月2000円(税別、以下同)の低価格で5.5型のオリジナルスマートフォン「PandA」を使えるほか、サポート体制も充実しているのが魅力だ。11月17日に開催された1周年記念事業発表会で、フリービット石田宏樹社長が登壇し、今後の方向性を示した。
そんなフリービットが今後狙うのは、国内の携帯電話ユーザーの54.6%を占める「非スマホユーザー」だ。「日本のケータイ料金を1/3にする」というテレビCMや、シニア契約者向けに開催している無料講習会などから分かるように、フィーチャーフォンを使っていたユーザーがスマホに買い換えるための障壁を減らすことに同社は注力してきた。実際にユーザーからは「初めてスマホやLINEを使った」という声が聞かれており、年代別に見ると、40代以上のユーザーが過半数を超えている。
同社は「ユーザーの満足度や利用度」という指標を最重要視しており、アンケート調査によると、店舗の接客対応やPandAの通信速度、IP電話の品質、総合的な満足度などで高い数値を示しているという。ユーザーの声を徹底的に聞く姿勢は既存ユーザーだけでなく、新規ユーザーに対しても同様。ケータイユーザーはスマホに対して主に「難しい」「怖い」「高い」という3つのネガティブな思いを抱いており、今回はこれらを解消して「一部のコアユーザーを除き、freebit mobileを選ばない合理的理由がないようにした」と石田氏は豪語した。実際、各キャリアの新モデルはスマホ中心になり、フィーチャーフォンの選択肢は年々少なくなっている。
「モバイルシェアの1%を取っていく」(石田氏)ことを目標とするフリービットが実現してきた合理的理由の内容をそれぞれ見ていこう。
理由その1:PCとシームレスに連携する“簡単”な「ONE」アプリ
「難しい」の内容は、主に料金プランや端末操作の複雑さなどに起因するものだ。大手キャリアは通信容量別に複数の料金プランを用意しているが、freebit mobileが提供するのは通信費月1000円と端末代金月1000円の合算である月2000円で使えるシンプルな1プランのみ。
また、「ボタンが多い」「使い方が分からない」「タッチ操作を間違える」という人向けに、以前から「PandAホーム」で初心者、シニア向けユーザーインタフェース(UI)を提供している。現在はキッズ向けUIを開発中で、子供からシニアまで幅広い層を1つの端末でカバーしていく。
PandAとPC間の端末利用をシームレスに行えるデータ統合ソフト「ONE」も正式にリリースされた。ONEアプリを使えば、PandA内の写真や動画、音楽、ファイル、ノートなどの各種データを簡単にPCと同期できる。PC側は専用サイトへのアクセスと、freebit IDおよびパスワードが必要になる。
石田氏は「PandA自体をサーバにすることにより、クラウドを介することなくPandAで撮影したデータをそのままPCブラウザ上で確認したり、PandAで聴いていた音楽の続きを帰宅後にPCで聴いたりできる」と説明する。また、PC上から写真や動画の編集、FacebookやTwitterなどSNSへの投稿、「@freebit.jp」メールの閲覧や作成ができるのも特徴だ。
理由その2:充実サポート+家族で使える“安心・安全さ”
実店舗での対面販売や自前のコールセンターによるサポートのほか、遠隔サポート、DVDや対面講座による指導など、大手キャリアショップ並の手厚いサポートを提供するのもフリービットの特徴だ。また、家族で使える「PandAファミリー」アプリを使えば、見守り側の端末から見守られる側の端末の利用制限や現在地情報の確認などが可能。歩きスマホをしていれば、見守られる側に警告が表示され、見守り側の端末に通知が届く仕組みだ。
今回この分野での新たな発表はなかったが、今後もサポート体制や子供・シニア向けのサービスは従来通り注力していく。
理由その3:通信速度、高速チケット容量アップで“安く”お得に
今回の既存サービスアップデートで最も注目したいのが、“安さ”について。通信速度や高速チケットの通信容量などが、料金据え置きのままでよりお得に使えるようにアップデートされる。
従来250〜300kbpsだった通信速度が500〜600kbpsに倍増し、動画を約45分視聴できる250円/100Mバイトだった高速チケットも300円/1Gバイトに増量される。60分の音声通話と100Mバイト分(動画視聴約45分)の高速通信が使える「フラットパック」(500円)も、料金はそのままで10倍となる動画視聴約7.5時間(450分)を見られるようになる。
なお、今回発表された各種アップデートは全て12月1日から適用される。
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