寺田倉庫は11月13日、Web上で管理できる倉庫サービス「minikura」のシステムを活用したアイデアを募るビジネスプランコンテスト「日本アカルミー賞」のグランプリが子ども服をシェアする「こどもふくの箱」に決定した。
「minikura」は衣類や本、思い出の品などを箱単位で倉庫に預けられる個人向け収納サービス。1点ずつの写真をオンラインで確認できる機能や「ヤフオク!」への出品機能なども備える。
APIとして各機能を提供することで、アニメイトやバンダイなど外部企業と連携した「アニメイトコレクション」「魂ガレージ」など用途を絞ったサービスも展開している。今回、minikuraの活用の幅を広げるべく、事業化を前提とした新たなアイデアを募集していた。
約1カ月で220件の応募が集まった中からファイナリストとして5人が選ばれた。
こどもふくの箱(谷本直人さん)
すぐにサイズが合わなくなってしまう子ども服をminikuraを通してシェア。年齢や性別、身長、季節ごとで箱にまとまった衣類を引き取ることができる。自ら預けた人は安く引き出せるようにして、利用を活発化させる。
happy Birthday BOX(内山修一さん)
「子どもが20歳になった時」などの記念日に合わせて時間を超えてプレゼントやメッセージ、思い出の品を届ける。祖母から孫へ、結婚記念日など、人生の節目に利用してもらうためのサービス。
minikura TEN(杉本正樹さん)
1つ1つの「点」は小さくても集めれば「展」に——というコンセプトで、マニアやコレクターがそれぞれ持つレア物をminikuraを通して集め、展覧会を企画。個人では難しい「見せる場」作りで単なる収納から一歩進んだ価値を提供する。
クラウドストリーミングメディアBOX(會田昌史さん)
本や雑誌、映像などの現物を預けるとストリーミングで楽しめるようにデータを変換。自由にコンテンツを楽しみつつ、いつでも現物を引き出せるリアルとバーチャルの融合が特徴。
minikura estimate(高橋信次さん)
預け入れた商品の資産価値を鑑定。安全に保管できるのはもちろん、オークションにもそのまま出品できる。アルバム形式で公開することでコレクター同士の交流の場にも。
グランプリに輝いたのは「こどもふくの箱」。技術面など1000万円相当の事業化支援サポートと、副賞の賞金が贈られた。数カ月内の本格的な事業化を目指して動いていく。
特別賞には「happy Birthday BOX」「クラウドストリーミングメディアBOX」の2つが選出され、賞金10万円が贈呈された。
審査委員長を務めた同社の寺田保信会長は「どれもさらにブラッシュアップできそうなアイデアで選ぶのが難しかった。実現可能性やニーズを考えて『こどもふくの箱』をグランプリとしたが、ほかのアイデアも形になる機会があれば。minikuraの可能性を広げるべく、今後もぜひ相談していきたい」と話した。
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