「夏のボーナスでタブレット端末を買った」「夏休みは奮発して海外旅行に行った」といった感じで、“景気のいい人”が多かったのでは。
というのも、2014年夏のボーナスの支給額をみると(厚生労働省の「毎月勤労統計」)、平均で37万550円(前年比3.1%増)となり、2年連続で増加している。夏のボーナスとしては、リーマンショック前の2005年、2006年(ともに前年比1.9%増)を上回り、バブル経済の余韻が残っていた1991年以来の高い伸びとなったのだ。
となると、気になるのは「冬のボーナス」。消費増税後の景気が精彩を欠いているのはマイナス材料だが、サラリーマンはこの冬、どのくらいのボーナスを手にすることができるのだろうか。
主要シンクタンクが発表した「冬のボーナス予測」を見てみると、支給額はいずれも“増える”見通しであることが分かった。では、どのくらい増えるのだろうか。三菱UFJリサーチ&コンサルティグは前年比3.1%増の37万550円、日本総研は同2.8%増の37万7000円、第一生命経済研究所は同1.9%増の37万4000円をそれぞれ予測している。「なーんだ、2〜3%しかアップしないのか……」と思われるかもしれないが、夏のボーナスに引き続いて冬も高い伸びが期待できそうだ。
「ボーナスをもらえる人がうらやましいよ。ウチの会社は昨年も出なかったからなあ」という人もいるだろう。しかし、今年の冬は懐が暖まるかもしれない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、「冬のボーナスを受け取る人の数が増えるだろう」と見込んでいる。支給される労働者数は、前年比2.5%増の4025万人を試算しているのだ。
明るい話ばかりが続いたが、残念ながら懸念点もある。夏のボーナス支給額を企業規模別にみると、大企業と中小企業で明暗がくっきり分かれているのだ。従業員数30人以上の企業では、1人当たりの平均支給額は43万1479円(前年比5.6%増)と大きく増えたが、5人〜29人の企業では25万3315円(同2.1%減)と減少している。「夏のボーナスでは、企業規模が小さくなるほどボーナスの伸びが低くなる傾向があったが、冬ではその傾向が一層顕著になるだろう」(第一生命経済研究所)。
円安の影響を受け、日経平均株価が上昇傾向にある。「会社の売り上げも伸びているようだし、冬のボーナスはアップするに違いない」と早合点せず、明細を見てから冷静に行動したほうがよさそうだ。
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