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「Xperia Z3 Tablet Compact」徹底検証(前編)――8型タブレット最軽量ボディと高画質ディスプレイの実力は?

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ココが「○」
・とにかく美しい液晶、サウンドも高品質
・軽い! 薄い! 8型クラスで最軽量
・IPX5/8の防水性能、IP6Xの防塵性能
ココが「×」
・Androidタブレットとしては割高な価格
・防水防塵のカバー開閉がやや面倒
・SIMロックフリーモデルも欲しいところ

約270グラムの世界最軽量タブレット、厚さも6.4ミリと薄い

 「Xperia」でこのサイズを待ち望んでいた方は少なくないだろう。ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Z3 Tablet Compact」は、同社初の8型Androidタブレットだ。これまで同社はタブレット製品として10.1型の「Xperia Z2 Tablet」と、6.4型の「Xperia Z Ultra」を用意してきたが、8型のモデルは今回が初めてとなる。

 注目は約270グラムという驚異的な軽さを実現していること。もちろん、この値は8型クラスのタブレットとして世界最軽量だ(7.1型以上〜9.0型未満のタブレットにおいて世界最軽量。2014年10月6日時点、ソニー調べ)。さらに防滴/防水性能もIPX5/8相当を維持し、防塵性能はIP6X相当に強化している。

tm_1411_z3tab_01.jpgソニーモバイル初の8型Androidタブレット「Xperia Z3 Tablet Compact」。実売価格(税別)は16Gバイトモデルで4万4000円前後から

 製品ラインアップは、ストレージ容量が16Gバイトの「SGP611JP/W・B」と32Gバイトの「SGP612JP/W・B」を用意し、それぞれホワイト(製品名末尾「W」)とブラック(製品名末尾「B」)のカラーから選べる。いずれもWi-Fiモデルで、発売日は本日、2014年11月7日だ。

 今回は短期間ながら16Gバイトモデルを試用したので、早速その使用感や性能をチェックしていこう(試作機のため、実際の製品とは一部異なる可能性がある)。

“フワッ”と軽いボディに驚かされる

 本体サイズは縦位置で約123.6(幅)×213.4(高さ)×6.4(奥行き)ミリ、重量は約270グラムだ。8型クラス世界最軽量のボディは、見た目のイメージ以上に軽い。手に持つとそのギャップから、フワッと浮き上がるような感触さえ受ける。

 メジャーな7〜8型クラスのタブレットの大きさ、重さは別表にまとめたが、8型前後のタブレットとしては非常に軽い。7.9型の「iPad mini 3」(約331グラム)より明らかに軽く、画面サイズが一回り小さい7型の「Nexus 7(2013)」(約290グラム)に近い重さだが、画面とフットプリントが大きいぶん、軽さのインパクトもより大きい。

 6.4ミリという薄さにも驚かされる。ヘッドフォン/ヘッドセット用のステレオミニ端子を収めるのがギリギリ……というレベルまで達しており、まさしくペラペラという表現がピッタリだ。世界最薄をうたう9.7型タブレットの「iPad Air 2」(6.1ミリ厚)に肉薄しており、iPad mini 3の7.5ミリ厚より随分と薄い。

tm_1411_z3tab_02.jpg6.4ミリ厚で約270グラムのボディは、非常に薄くて軽い。まさに「ペラペラ」という表現がピッタリだが、後述のように剛性もしっかりしている

 実際は8〜9ミリ厚のタブレットでも単体ではスリムに見えるが、保護用のカバーやプロテクターなどを装着して運用しようとすると、意外とイメージと違って残念に感じてしまうことがある。そういったカバーを装着して使っているユーザーならば、よりありがたみが実感できるはずだ。

 丸みをもたせたフレームと超高剛性のFRPパネルを一体成型することで、薄型軽量と剛性を両立しているのも見逃せない。これだけ薄くてもボディの剛性感は十分で、どこを持ってもしなったりたわんだりせず、不安を感じさせないのは立派だ。

 また狭額縁デザインで、横幅が123.6ミリと細いため、片手で無理なくスッと持てる点も見逃せない。例えば、7型の「Nexus 7(2012)」が横幅120ミリであり、ボディが薄いこともあって、同じくらい楽に持てる。これまでの8型クラスは横幅が130ミリ以上ある製品が多かっただけに、「片手で7型は持ちやすいが、8型は持ちにくい」というイメージがあるかもしれない。しかしそれはXperia Z3 Tablet Compactには当てはまらない。

tm_1411_z3tab_03.jpg画面の額縁は狭く、横幅120ミリという数字は少し前の7型クラス並だ。このように片手で自然にすっと持てる。画面は縦位置でPC USERの記事を表示したところ。拡大表示しなくてもPCと同じ画面構成で自然に読める
tm_1411_z3tab_04.jpgtm_1411_z3tab_05.jpg縦位置でも横位置でも片手で持って無理なく使えるサイズと重量だ
tm_1411_z3tab_06.jpg左がXperia Z3 Tablet Compact、右が7.9型4:3液晶を搭載したiPad mini 3(Wi-Fiモデル:幅134.7×高さ200×奥行き7.5ミリ/約331グラム)。画面のアスペクト比が違うこともあり、サイズ感はかなり異なる。横幅が狭いため、片手での持ちやすさははるかに上だ
tm_1411_z3tab_07.jpgXperia Z3 Tablet CompactとiPad mini 3を並べて後ろから見た様子。アスペクト比16:10の液晶ディスプレイを採用するXperia Z3 Tablet Compactは、iPad mini 3に比べて横幅が狭く、縦に長い。Xperia Z3 Tablet Compactは背面にNFCも搭載している
tm_1411_z3tab_08.jpg長辺の比較。左のXperia Z3 Tablet Compactは、右のiPad mini 3より長いが、厚さは1.1ミリ薄い
tm_1411_z3tab_09.jpg短辺の比較。左のXperia Z3 Tablet Compactは、右のiPad mini 3より短い。厚さは数字上では1.1ミリの違いだが、実際に見て触れると、数字から受ける印象以上に薄く感じる
主な7〜8型タブレットのサイズ比較
製品名OS画面サイズ解像度画素密度本体サイズ(幅×高さ×奥行き)重量(Wi-Fi/LTEモデル)
Xperia Z3 Tablet CompactAndroid 8型1920×1200ピクセル283ppi123.6×213×6.4ミリ約270グラム/−
iPad mini 3iOS7.9型2048×1536ピクセル324ppi134.7×200×7.5ミリ約331グラム/約341グラム
iPad mini 2iOS7.9型2048×1536ピクセル324ppi134.7×200×7.5ミリ約331グラム/約341グラム
iPad miniiOS7.9型1024×768ピクセル162ppi134.7×200×7.2ミリ約331グラム/約341グラム
Nexus 7(2013)Android7型1920×1200ピクセル323ppi114×200×8.6ミリ約308グラム/約312グラム
Nexus 7(2012)Android7型1280×800ピクセル216ppi120×198.5×10.45ミリ約340グラム/約347グラム
GALAXY Tab S 8.4Android8.4型2560×1600ピクセル359ppi125.6×212.8×6.6ミリ約294グラム/約298グラム
AQUOS PAD SH-06FAndroid7型1920×1200ピクセル323ppi106×175×8.4〜8.7ミリ−/約233グラム
ThinkPad 8Windows8.3型1920×1200ピクセル273ppi132×224×8.8ミリ約430グラム/−
Miix 2 8Windows8型1280×800ピクセル189ppi215.6×131.8×8.35ミリ約350グラム/−

 自社開発という薄型バッテリーの仕様は、4500mAhと表記されている。Xperia Z2 Tabletと電圧仕様が同じならば3/4の容量だが、公称のバッテリー駆動時間は、Wi-Fi Web閲覧時で約12時間、ビデオ再生時で約15時間と少しずつ増えている。一方、画面表示の必要がない音楽再生時は約170時間と30時間ほど減っていることから、主に小さくなった画面サイズの影響だろう。

tm_1411_z3tab_10.jpg付属のACアダプタは、実測でのサイズが40(幅)×53(奥行き)×20(高さ)ミリ(プラグを含めた奥行きは69ミリ)、重量が58グラム(本体が38グラム、USBケーブルが20グラム)と小型軽量だ。ACアダプタの出力仕様は5ボルト/1.5アンペア。USBケーブルでタブレット本体のMicro USBポートと接続して充電する
tm_1411_z3tab_11.jpgtm_1411_z3tab_12.jpg電源管理の設定メニューでは、バッテリー駆動時間を延ばすための独自設定も用意している(画面=左)。「STAMINAモード」は、画面がオフのときにWi-Fiを一時無効にし、多くのアプリも停止することで消費電力を抑える。「低バッテリーモード」では、バッテリー残量が設定値を下回った場合、Wi-Fi、Bluetooth、自動同期の設定をオフにして省電力動作とする(画面=右)
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