産業制御システム(ICS)を狙った高度なマルウェアが出回っているとして、米セキュリティ機関のICS-CERTなどが注意を呼び掛けている。
ICS-CERTによると、マルウェア「BlackEnergy」の亜種が相当数のICS環境に感染しているのを発見し、調べたところ、この攻撃は少なくとも2011年から発生していたとみられることが判明した。複数の企業でインターネットに接続されたヒューマンマシンインタフェース(HMI)からマルウェアが見つかったという。
これまでに感染が確認されたのは、GE Cimplicity、Advantech/Broadwin WebAccess、Siemens WinCCなどのHMI製品。他のベンダーの製品も標的にされているかどうかは現時点で不明だとしている。
GE Cimplicityについては、2012年1月ごろからHMI製品の脆弱性が悪用されていたことが分かった。GEはこの脆弱性に関する情報を2013年13日に公開し、ICS-CERTも2014年1月にアドバイザリーを出していた。
WinCCとAdvantech/Broadwin WebAccessについてはまだ感染経路が確認できていないという。
産業制御システムを狙う攻撃については、セキュリティ企業などが以前から、ロシアのサイバー攻撃集団「Sandworm」の存在を指摘していた。この集団は、Microsoftが10月の月例セキュリティ更新プログラムで対処したWindowsとWindows Server 2008/2012の脆弱性を突くゼロデイ攻撃を展開していたとされる。
ICS-CERTは、今回の攻撃にも同じ集団が絡んでいると推定している。
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