セキュリティ企業Lookoutの研究者が、AppleのiPhone 6に搭載された指紋センサー「TouchID」を検証した結果、iPhone 5sの時と同様に、iPhone 6のTouchIDもハッキングできることを確認したと報告した。
iPhone 5sのTouchIDを巡っては2013年の時点で、本体表面のガラスに付着したユーザーの指紋を浮かび上がらせてフィルムに転写し、自分の指に貼って認証させてロックを解除する方法が紹介され、Lookoutもこのやり方でTouchIDが破れることを確認していた。
同社の9月23日のブログによると、今回はiPhone 6のTouchIDが改善されたかどうかを調べるために、iPhone 5sに対して使ったのと同じ偽の指紋を作成し、iPhone 5sと6で試した。
その結果、「この2台のセンサーの間に目立った改善点はなかった」と結論付けた。センサーの感度は向上しているものの、セキュリティ対策を強化するための設定も追加されていないとしている。
ただし、攻撃のためにはかなりのスキルと忍耐と、極めて良好な状態の指紋のコピーが必要であり、「高度なスキルを持った人物による標的型攻撃を受けない限り、これが脅威であるとは考えにくい」とも指摘。「TouchIDが効果的なセキュリティコントロールであることに変わりはない」とした。
しかしiPhone 6が決済に使えるようになったことを考えると、「Appleがこの機会にTouchIDのセキュリティを強化しなかったのはやや残念」とも付け加えている。
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