9月18日から開催されている東京ゲームショウでは野心的なバーチャルリアリティ体験、進化したグラフィックスやサウンド、それにネットワーク/クラウド環境の活用など、大手ブースからインディーズ、ゲームスクール、アマチュアに至るまで大小さまざまなブースが立ち並んでいる。未発売のゲーム試遊台を置いているところも多数あり、20日からの一般公開を楽しみにしている人も多いことだろう。
未発売作品と一口に言っても完全新作、続編、リメイクなどがあるが、目についたのは続編モノだ。すでに確立した世界観、面白さをベースにハード/ソフトの進化による高品質化、新たなフィーチャーなどで過去の実績の上に積み上げられる期待値に応えられるかは各メーカーの腕の見せどころだろう。
今回はついに姿を現したプチコンのナンバリングタイトル第3弾「プチコン3号 SmileBasic」を紹介する。
プチコンって?
さんざんそれっぽくあおっておいてなんだが、プチコン自体はゲームではない。ゲームなどのプログラムを書くことができる、ニンテンドーDSi/3DS用のプログラミング言語BASICだ。初代のプチコン、2代目のプチコンmkIIはニンテンドーDSi/3DS用だったが、今回のプチコン3号はニンテンドー3DSシリーズ専用となっている。
当初は2014年7月発売予定だったが、今は公式には2014年秋発売と変更された。原因としてはそもそもの開発の遅れがあったことと、Newニンテンドー3DS/LLへの対応や検証の時間が必要になったからだという。そのような事情なので「秋=10月ごろ」のような先入観は持たないほうがよさそうだ。
開発に時間がかかっている理由の1つには内部の大幅な変更があるようだ。初代プチコン、プチコンmkIIでは共通の実行エンジンを使用していたが、プチコン3号では一からコードを書き直している。プチコン3号はコンパイルされたコードを実行するバーチャルマシンを搭載しているため、ハードそのものの強化と合わせてかなりの高速化が図られている。目標値はプチコンmkIIの10倍という話だが、まだ開発中のため、どこまで達成しているかは不明だ。
3DS専用機能
もちろん、パフォーマンスだけでなく3DS専用になったことによる機能追加も多い。
一番の大きな特徴は立体視への対応だ。今までの縦・横に加えて奥行きが追加されている。立体視できるハードウェア自体、まだ少ないということもあるが、おそらく最も手軽に立体視ソフトを開発できる環境と言ってもよいだろう。あまりの簡単さに感動するくらいだ。ただし、ポリゴンによる3次元処理ではなく、あくまで2次元のグラフィックスを奥行き付きで表示する、というものであることは誤解しないようにしてほしい。
ニンテンドー3DSでは昨今のスマートフォン同様、さまざまなセンサーが追加されている。プチコン3号ではそれらの新しいセンサー、ジャイロセンサー、モーションセンサー、入力デバイスであるマイク、スライドパッド(標準/拡張とも)にも対応している。
解像度はニンテンドーDSiが上画面、下画面とも256×192ピクセルだったのに対し、ニンテンドー3DSでは上画面400×240ピクセル、下画面320×240ピクセルと高解像度化しているため、それに合わせている。上下個別に管理、描画することも可能だが、座標軸を連続1枚の画面として扱うモード(XSCREEN 4)が追加されている。
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