ごくまれにだが、マーケティング上の誇張表現が、本当に現実のものになることがある。Appleが2007年1月9日に発売した「iPhone」は、まさにその実例だといえるだろう。
Appleの共同創設者であり、前CEO(最高経営責任者)を務めた故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏は当時、「iPhoneは、あらゆる携帯電話機の5年先を行く、魔法のような革新的製品だ」と語っていた。
iPhoneは実際に、技術業界に大きな変革をもたらした。iPhoneの驚異的な人気と、さらに2010年に発表した「iPad」の人気とが相まって、Appleは世界最大規模の時価総額を誇る企業となった。
当時Android OSの開発を手掛けていたGoogleが、Appleの競合相手になり、ライバルだったハードウェアメーカー各社は、iPhoneに似た製品の開発を競って手掛けるようになった。油断していたMicrosoftは不意打ちを食らい、iPhoneの発売から7年間がたった今でも、携帯電話機市場においてWindowsを好転させることができず、もがいている。その間、iPhoneはソフトウェアインタラクションやディストリビューション、コストなどに関する期待に応えるべく、改良を重ねてきた。
Appleは2014年9月9日(米国時間)に、新型の「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を発表した。Android端末ユーザーの間で人気が高いディスプレイサイズを採用したため、既存モデルよりも寸法が大きい。Appleは、大型ディスプレイを好むユーザー層を獲得するための競争が必要になることを認識しているという。また、モバイルOSの最新バージョン「iOS 8」を2014年9月17日より一般ユーザーに提供する。
それでは、iPhoneの歴史を振り返りながら、重要なマイルストーンをいくつか取り上げていこう。
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