米AppleはiOS搭載スマートフォンの最新モデル「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」を日本などで9月19日に発売する。昨年発売されたiPhone 5s/5cからどう変わったのか、変更点をチェックしよう。
大型化したディスプレイ
何より目を引くのはディスプレイの大型化だ。iPhone 6は4.7インチ、iPhone 6 Plusは5.5インチと、5s/5cの4インチから拡大し、解像度も6が1334×750ピクセル、6 PlusがフルHD(1980×1080ピクセル)と、5s/5c(1136×640ピクセル)から向上。ただし精細度では6は326ppiとなっており、5s/5cと同じ。6 Plusは401ppiと高精細化している。またコントラスト比が大幅にアップしている。
iPhone 6 Plus | iPhone 6 | iPhone 5s | iPhone 5c | |
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ディスプレイ | 5.5インチIPS液晶(1920×1080ピクセル、401ppi)、コントラスト比1300:1、最大輝度500カンデラ/平方メートル、フルsRGB、より広い視野角のためのデュアルドメインピクセル、耐指紋性撥油コーティング(前面)拡大表示、簡易アクセス | 4.7インチIPS液晶(1334×750ピクセル、326ppi)、コントラスト比1400:1、最大輝度500カンデラ/平方メートル、フルsRGB、より広い視野角のためのデュアルドメインピクセル、耐指紋性撥油コーティング(前面)、拡大表示、簡易アクセス | 4インチIPS液晶(1136×640ピクセル、326ppi)、コントラスト比800:1、最大輝度500カンデラ/平方メートル、フルsRGB、耐指紋性撥油コーティング(前面) | 4インチIPS液晶(1136×640ピクセル、326ppi)、コントラスト比800:1、最大輝度500カンデラ/平方メートル、フルsRGB、耐指紋性撥油コーティング(前面) |
サイズは大型化したが薄くなった
ディスプレイの大型化によりサイズ・重さも変わっている。縦はiPhone 5sの123.8ミリに対し、6は138.1ミリ、6 Plusは158.1ミリとそれぞれ1.5センチ・2.5センチ増え、幅は6が67.0ミリ、6 Plusが77.8ミリと、5sから8.4ミリ・1.92ミリ増えている。
一方で厚みは6/6 Plusが薄くなった。6は6.9ミリ、6 Plusは7.1ミリと、5sから0.8ミリ・0.5ミリ薄型化されている。
サイドスイッチなども変更され、5sで丸形だった音声ボリュームボタンは長くなっている。
iPhone 6 Plus | iPhone 6 | iPhone 5s | iPhone 5c | |
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サイズ | 158.1×77.8×7.1ミリ | 138.1×67.0×6.9ミリ | 123.8×58.6×7.6ミリ | 124.4×59.2×8.97ミリ |
重さ | 172グラム | 129グラム | 112グラム | 132グラム |
iPhone 6 Plusのカメラは光学式手ブレ補正搭載
iSight(背面)カメラは800万画素(画素ピッチ1.5μメートル)とセンサー面では同じだが、6/6 Plusでは「Focus Pixels」の採用でオートフォーカス(AF)が早く正確になっているという。色再現が正確という「TrueToneフラッシュ」やサファイアガラス製レンズカバー、5枚構成のF2.2レンズなどは5sと同じ。6 Plusは光学式手ブレ補正を搭載しているのが特徴だ(6は搭載していない)。
FaceTime(前面)カメラは120万画素で変わらないが、レンズの明るさがF2.4からF2.2となり、1秒間に10枚の撮影が可能なバーストモード(連写)が加わった。
6/6 Plusでは背面・前面とも顔検出機能が強化されている。また動画では6/6 Plusとも1080pのHDビデオ撮影が60fpsに対応(5s/5cは30fpsまで)するほか、240fpsのスローモーションビデオ撮影(5s/5cは120fps)、動画撮影中のAF(コンティニュアスAF)が可能になっている。
6 Plusはバッテリー持続時間が長い
バッテリー容量は公開していないが、通話時間(3G)では6で最大14時間、6 Plusで最大24時間と、5s/5cの最大10時間から拡大している。また大型な6 Plusのバッテリー持続時間の長さが目を引く。
iPhone 6 Plus | iPhone 6 | iPhone 5s | iPhone 5c | |
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連続通話時間(3G) | 最大24時間 | 最大14時間 | 最大10時間 | 最大10時間 |
連続待受時間 | 最大16日間 | 最大10日間 | 最大10日間 | 最大10日間 |
ネット利用 | 3Gで最大12時間/LTEで最大12時間/Wi-Fiで最大12時間 | 3Gで最大10時間/LTEで最大10時間/Wi-Fiで最大11時間 | 3Gで最大8時間/LTEで最大10時間/Wi-Fiで最大11時間 | 3Gで最大8時間/LTEで最大10時間/Wi-Fiで最大11時間 |
ビデオ再生 | 最大14時間 | 最大11時間 | 最大10時間 | 最大10時間 |
オーディオ再生 | 最大80時間 | 最大50時間 | 最大40時間 | 最大40時間 |
新たにNFCが加わる
6/6 Plusでは非接触通信のNFCを搭載し、モバイル決済「Apple Pay」に対応する。Apple Payは世界展開を計画しており、日本でも対応が進めば便利になりそうだ。
内蔵センサーとして、従来のジャイロセンサー、加速度センサー、近接センサー、環境光センサーに加えて、6/6 Plusでは気圧計を搭載している。登った階段や山などの高さを測定できるのは面白い機能だ。5sが採用した指紋センサー「TouchID」は6/6 Plusとも継承している。
無線LANは従来のIEEE 802.11nから最新のIEEE 802.11acに。最大で3倍高速化するとしている。
6/6 Plusのプロセッサは最新の「A8」となり、5sの「A7」、5cの「A6」から処理性能がアップ。内蔵のビデオエンコーダと画像信号プロセッサによりカメラの高性能化を果たしているという。
また5sから導入された、センサー類の処理を担当することでメインプロセッサの電力消費を抑える「モーションコプロセッサ」は5sの「M7」から「M8」にアップデートされた。
128Gバイトモデルが登場
内蔵ストレージごとのラインアップは6/6 Plusでは16Gバイト/64Gバイト/128Gバイトに。国内ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが販売するほか、AppleからSIMフリー版も販売される。
SIMフリー版価格 | iPhone 6 | iPhone 6 Plus |
---|---|---|
16Gバイト | 6万7800円 | 7万9800円 |
64Gバイト | 7万9800円 | 8万9800円 |
128Gバイト | 8万9800円 | 9万9800円 |
iPhone 5sと5cは併売される。5sは16Gバイト/32Gバイトモデルのみとなり、5cは8Gバイトモデルのみとなる。
来年発売予定のウェアラブルデバイス「Apple Watch」は、6/6 Plusのほか、iPhone 5/5s/5cと連係することができる。
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