難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の支援団体・日本ALS協会は9月2日、頭から氷水を浴びる動画をSNSで公開し、ALS患者支援を呼び掛けるチャリティー運動「Ice Bucket Challenge」(アイスバケツチャレンジ)が国内で広がった8月18日〜31日に、合計2747万円の寄付が集まったと発表した。
アイスバケツチャレンジがきかっけで多くの人がALSに関心を寄せてくれ、「驚きとともに心から感謝している」とコメント。一方で、「売名のためでは」「チェーンメールと同じ構造だ」などと批判を受けていることについては「困惑している」とし、「支援や寄付は強制であってはならない」などとしている。
同協会によると、日本のALS患者は現在約9100人。原因不明の神経疾患として国の難病指定を受けている。運動神経が選択的に侵されるため、発症から数年で全身がほとんど動かせなくなり、会話や呼吸もできなくなるという。進行を食い止める薬はなく、生きるためには人工呼吸器や経管栄養が必要になる。
同協会には「この2週間、圧倒的多数の共感と支援の温かい声が寄せられた」という。一方で、「(アイスバケツチャレンジは)売名のためにでは」「子どものいじめに使われるのでやめさせてほしい」「チェーンメールと同じ構造だ」などの声が届いており、「困惑している」という。
「いうまでもなく、支援や寄付は強制であってはならず、その行為によって危険に遭遇したり、不利益を被ったりする人がいないことを願っている」と同協会はコメント。また、「ほかの難病にも理解が広がる契機になるよう願っている」としている。
寄付はALSの治療研究と患者支援のために有効に使うとしている。状況が落ち着いてから具体的な使い道を検討し、機関誌やWebサイトで報告するという。
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