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アイアンマンもX-MENもパシリムも!? ハリウッド特撮を支える3Dプリンタ

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 米国の3Dプリンタベンダー・Stratasysの日本法人であるストラタシス・ジャパンは2014年8月27日、東京都内で3Dプリンタを活用したダイレクト・デジタル・マニュファクチャリング(DDM)の最新事例を紹介する「未来型デジタルファクトリー 3Dプリンティング DDMシンポジウム」を開催した。


rk_140828_legacyeffects.jpgLegacy EffectsのJason Lopes氏

 同シンポジウムには、映画「アイアンマン」や「アバター」、「パシフィック・リム」などを手掛けた米ハリウッドの特撮スタジオLegacy Effects(レガシーエフェクツ)も参加。同社は2014年1月、「機動戦士ガンダム」シリーズなどで知られるアニメーション監督の富野由悠季氏が所属する企業・オオカゼノオコルサマと、富野氏の新作アニメ映画の製作で提携することを発表している。

 シンポジウムの基調講演に、Legacy Effectsのリードシステムエンジニアを務めるJason Lopes(ジェイソン・ロペス)氏が登壇し、同社が3Dプリンタを映画やCMの製作に活用している事例を紹介した。

さまざまな場面で活躍する3Dプリンタ

 Legacy Effectsでは2008年ごろから3Dプリンタを製作現場に導入し始めたという。ロペス氏は、「現在では、製作スタッフたちが日常的に3Dプリンタに触れられるよう、各部屋に設置している。Legacy Effectsは、映画だけでなくミュージックビデオやCMなど、さまざまなものを手掛けているが、そのあらゆる場面で3Dプリンタを活用している」と語った。

rk_140828_legacyeffects01.jpgrk_140828_legacyeffects02.jpgLegacy Effectsの製作現場で利用されているストラタシス製の3Dプリンタの一覧(左)。同社では製作スタッフの各部屋に3Dプリンタを設置しているという(右)(クリックで拡大)出典:Legacy Effects

 だが、3Dプリンタを導入し始めた当初は懐疑的な目で見られることもあったという。同氏は「始めて3Dプリンタを導入したとき、周囲から『そんなものを使うなんてクレイジーだ』と言われた。でも私は3Dプリンタを使うことでさまざまなことが可能になると考えていた。だから『10日で見返してやる』と返答した」と話し、映画アイアンマンの製作で、3Dプリンタを活用した事例を紹介した。

rk_140828_legacyeffects03.jpgrk_140828_legacyeffects04.jpg映画「アイアンマン」で製作したパーツ(左)と実際の映画の中での映像(右)出典:Legacy Effects(クリックで拡大)

 ロペス氏は、アイアンマンのバストアップモデルの写真を示しながら「この一部のパーツをスタッフが家に忘れてしまったことがあった。その時、Legacy Effectsのオフィスにある3Dプリンタを使って40分でそのパーツを製作できた。3Dプリンタによって製作時間を非常に短縮することが可能になった」と3Dプリンタのメリットをアピール。

 また、「こうした作品や、パーツの造形を外部に依頼する場合、そのデータをこちらから渡す必要がある。一度送ってしまったデータはどこに流出してしまうか分からないが、自社で所有している3Dプリンタで作ってしまえばそういった心配はない。この写真のパーツは自分たちの3Dプリンタを使って1週間ほどで作ることができた」と話し、3Dプリンタの活用によるセキュリティ面でのメリットも説明した。

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