使った分だけを支払う柔軟な従量制の料金体系にひかれ、クラウドサービスを利用する企業顧客が増えている。その一方で、プロバイダー各社は利益を上げるのに苦労している。
米TechTargetがクラウドプロバイダーを対象に実施した最近の調査では、約300社の回答者のうち44.8%が主要な経営課題として「クラウドサービスの収益性」を上げた。「クラウドサービスのコモディティ化が進むにつれて、この問題はますます悪化していくだろう」と、米コンサルティング会社CIMIのトム・ノール社長は指摘する。
データセンターの構築に伴う先行投資の他に、非現実的な販売予測や競争的な料金体系まで加わったのでは、クラウドプロバイダーは最初から失敗を約束された状態に置かれかねない。クラウドプロバイダーが利益を上げるためには、付加価値サービスを通じて差別化を図るとともに、大手クラウドやコロケーション(ハウジング)サービスの多少の助けを借りることが鍵となる。
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