Bluetooth Special Interest Group(以下、Bluetooth SIG)は2014年8月22日、Bluetooh技術の最新動向を解説する説明会を開催した。説明に立ったのはBluetooth SIGのグローバルインダストリー&ブランドマーケティングディレクターを務めるエレット・クローター(Errett Kroeter)氏だ。
クローター氏はまず、Bluetooth対応製品の出荷台数が2014年には31億台に上ることを紹介し、Bluetoothを「史上最も速く成長している無線通信技術」であるとアピールした。Bluetooth SIGの予測では、2018年にはBluetooth対応製品の出荷台数は46億台まで伸びるという。
ここまで大きく成長した要因としてクローター氏は、2010年に仕様が公開になったBluetooth Smartの存在を挙げた。ボタン電池程度の電力でも長期間動作するほど消費電力が少ない仕様を公開したことで、今日のウェアラブル機器の盛り上がりがあると言える。
そしてクローター氏は、2011年に出荷が始まったiPhone 4SがBluetooth Smartに対応したことで、「市場の盛り上がりに火がついた」と表現する。世界のスマートフォンのうち、相当な割合を占めるiPhoneがBluetooth Smartに対応することで、Bluetoothは事実上のグローバルスタンダードとなり、新サービスの登場も相次いだ。
同氏はまた、2018年までにスマートフォンにかぎらず、すべての携帯電話のうち96%がBluetooth Smart Ready対応となるだろうという予測を披露し、今後のBluetoothの成長が確かなものであるとアピールした。
Android LがBluetooth 4.1に対応
iPhoneが早々にBluetoothに対応したのとは対照的に、AndroidのBluetooth対応は遅れた。2013年7月発表のAndroid 4.3でようやくBluetooth Smart(Bluetooth 4.0)に対応した。さらに、2014年6月にGoogleが自社イベント「Google I/O」で開発中のAndroidの新バージョン「Android L」を披露し、Bluetooth 4.1に対応する初めてのOSになることを明らかにしている。
クローター氏はスマートフォン市場の2大勢力がBluetoothに対応していくことで、Bluetooth Smartに対応するウェアラブルデバイスがさらに増え、新しい種類の機器も登場すると期待をにじませた。
新しい種類の機器の例としてクローター氏はBeaconを挙げた。Beaconとは、情報を発信する小さな機器。Bluetooth Smart Ready対応の機器が近づいたら、情報を送り出す。例えば店舗の特定の位置に設置しておき、スマートフォンを持った客が近づいたときにセールの情報を送信するといった使い方ができる。
クローター氏はBeacon活用の具体例として、本日から開幕する「新宿クリエイターズ・フェスタ2014」を挙げた。公式アプリをインストールしたスマートフォンを持ってあちこち歩くと、さまざまなイベント情報が飛んでくる。
今後伸びる分野はスマートホーム
最後にクローター氏は今後Bluetooth技術が浸透していく分野として「スマートホーム」を挙げた。住宅にある家電や水道計、ガスメーターなどにBluetooth Smartを利用した通信機能が付くことで、いずれはスマートフォンを使って住宅内のさまざまな情報を把握し、家電の操作などができるようになる。
クローター氏はBluetooth Smartを搭載したスマートホーム関連機器が2018年まで年率232パーセントで成長し、1億8000万台以上のスマートホーム関連機器がBluetooth Smartにネットワークにつながるという予測を披露した。
あらゆる機器がインターネットにつながる世界を示す「Internet of Things(IoT)」という言葉がある。その世界が現実のものになったとき、相当な数の機器がBluetoothでつながっていてもおかしくないだろう。
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