無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)は現在、愛好家や商業用途による利用が増加していることから、もはや戦場で使うためだけのものではなくなっている。米連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)は、無人航空機の普及に伴って衝突の危険性や安全上の懸念が生じていることから、無人航空機の利用について公的な立場を示すべく取り組みを進めているところだ。Amazonをはじめ複数の企業が無人航空機による配送の試験を行っていることもあり、商業用途の無人機が今後、新たな市場として爆発的な成長が見込まれることは確かだろう(関連記事:GoogleのTitan買収で注目集める無人航空機)。
製品分解などを手掛けるTeardown.comは、Parrotの無人機「AR.Drone 2.0」(GPSエディション)の分解を行った。AR.Drone 2.0の販売価格は349.99米ドルだが、分解の結果、BOMコストはGPSフライトレコーダも含めて137米ドルであることが分かった。
Parrotによれば、AR.Drone 2.0に搭載されているフライトレコーダは、本物のブラックボックスとしても機能する。正確な位置情報など350項目以上のパラメータを、フライトごとに保存することが可能だ。飛行高度が6mを超えた場合、レコーダは機体の安定性を高める役割も果たす。収集したデータは3D映像で確認でき、AR.Droneユーザーのコミュニティー「AR.Droneアカデミー」のマップで解析することも可能だ。フラッシュメモリが搭載されていて、約2時間分の高品位(HD)映像を録画できる。
メインボード
メインボードには、Texas Instruments(TI)のアプリケーションプロセッサ「OMAP3630」上に、Micron TechnologyのDDR2メモリ(256MB)がPoP(Package on Package)で搭載されている。この他の主要なICとしては、Micronの128MBフラッシュメモリや、TIのU電源管理IC、Qualcomm AtherosのIEEE 802.11 b/g/n対応Wi-FiコントローラICなどが搭載されている。
モーションコントロール
モーションコントロール用のボードには、Bosch Sensortecの3軸加速度センサー「BMA150」、気圧センサー「BMP180」、InvenSenseのモーションプロセッサ搭載3軸角速度センサー「IMU-3000」、ソナー制御用にMicrochip Technologyの16ビットマイコン「PIC24HJ」が搭載されている。角速度センサーと加速度センサーを搭載することで、Parrotの無料アプリを利用した制御機能のサポートを提供する。これらのセンサーは飛行の安定性も実現していて、機体が軽くぶつかった場合や、風が強い状況でも、無人航空機が自力で対処することが可能だという。
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.