今、テクノロジーおよびITマーケティングの世界で話題のキーワード「iBeacon(アイ・ビーコン)」をご存じだろうか。
iBeaconは、アップルが2013年秋にリリースしたスマートデバイス向けOS「iOS 7」で搭載された機能だ。2014年現在、さまざまな場所で、このiBeaconを用いたサービスがiPhoneなどで利用できるようになってきている。
ポイントは「OSの標準機能」として組み込まれたこと。「アップルが提供する、決済技術の本命」「(Suicaや楽天Edyでなじみのある)NFCを代替する技術」「GPSが使えない建物内でも、メートル/センチメートル単位の誤差で訪問客を誘導できる」「Beacon機能で、最新情報を手持ちのデバイスで自然に受信できる」などのシーンがサービス提供社などより提案され、2014年以降のO2O(Online to Offline:オンラインの情報からオフラインの消費行動を促すマーケティング施策)の切り札などと言われている。
また、スマートデバイスを軸に、実店舗/オンライン店舗を隔てなく、あらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合し、顧客に同じ商品を販売できる環境を構築する新時代の概念「オムニチャネル」に包括されるキーワードでもある。
今回はまず「iBeacon」に的を絞り、「それは何か」「何ができるか」その概要を解説していこう。
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