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「盲導犬を目指して」――ベアリング生産の日本精工が手掛けるガイダンスロボット

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日本精工

 日本精工(NSK)は、「TECHNO-FRONTIER 2013」(会期:2013年7月17〜19日)のデモンストレーション会場において、視覚障害者を先導する「障害物回避先導ロボット(ガイダンスロボット)」の体験デモを実施した。

 今回披露されたガイダンスロボットは、比較的床面の平らな病院内(屋内)での利用を想定している。視覚障害者の方が、ロボットの操作部(グリップ)に触れ、押すと前進する。壁などの障害物との距離をロボットの前面に設置されたレーザーセンサーで検出しながら自動的に回避行動をとってくれる他、段差も床面に向けて照射する赤外線センサー(PSD)で検出し、回避することができる。また、スピーカーも搭載されており、障害物や段差を検出した際に警告を発してくれるという。

日本精工(NSK)の「障害物回避先導ロボット」日本精工(NSK)の「障害物回避先導ロボット」

 操作部には、6軸の力センサーを搭載する。力の加えられた方向と大きさを検出し、ロボットを直感的に操作できる(強く押すと速く、弱く押すと遅くなる)ため、“歩かされている”感覚がなく、自身の望むペースで移動することができる。バッテリー駆動で3.5時間動作する。

 「当社が得意とするベアリング(軸受)生産に続く事業の柱として、新技術を開拓していこうということで、ロボット開発にフォーカスした。人とともに行動するロボットについて、いろいろと調査した結果、盲導犬や介護犬は貸与待機者数に対し、稼働頭数が極端に少ないことが分かった。さらに、希望者と犬との相性、世話の負担やアレルギー/衛生面での課題、そもそも訓練に時間がかかるなどの問題点が見えてきた。そこで、“視覚障害者向けロボット”をテーマに掲げ開発に着手した」と説明員。

レーザーセンサー力センサー(左)障害物を検知するレーザーセンサーは、ロボットの前面に設置されている/(右)操作部(グリップ)には、6軸の力センサーを搭載 【※画像クリックで拡大表示】

 当初は、屋外も含めたあらゆる生活空間での活動を視野に、四足歩行(犬型)ロボットの開発を進めていたが、早期実用・導入実現性を考えて、病院内での利用に絞り、現在の車輪タイプにしたという。現在、実証試験に向けた取り組みを進めており、2014年ごろから「さがみロボット産業特区」と連携した実証試験の開始を目指している。同社としては、「この実証試験の結果をフィードバックし、2016年をめどに実用化したい」(説明員)考えだ。

 ちなみに、今後開発予定の技術としては、病院内の地図を基にした音声ナビゲーション機能や現在使用している市販品のセンサーを自社開発のものに置き換えることなどを計画しているという。

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